ゴシック体はアジアにしかない?
フォントの基礎知識その1では大まかに分けたフォントの種類についてお伝えしました。
今回の基礎知識その2では、Tシャツのデザインでも良く使われるフォント、ゴシック体について掘り下げてお伝えしようと思います。
ゴシック体とは、実は日本語や東アジアの国々のフォントでのみ使われる言い方なんです。
欧米で「ゴシック体のフォント」というとローマン書体以外のフォントという幅広すぎる意味になってしまうので、日本で言うゴシック体のフォントは、サンセリフ(装飾が無い)という言い方になります。なので、欧米の人とTシャツのデザインについて意見を交換することになった時……。
「僕の考えではフォントはゴシック体だとインパクトが出て目立つと思うんだ!(英語)」
「どのゴシックフォントだよ(英語)」
「ゴシック体だよ!ゴシック体!有名だろ?(英語)」
「だからどんなゴシックフォントなんだよ(英語)」
「ゴシック体って言ったら、文字の線の太さが均等で余計な飾りが無い、シンプルで見やすいスタイルのフォントに決まってるだろ?(英語)」
「ああ、サンセリフのことね」
「サンセリフ?」
ということになってしまいます。
欧米の人には「太目のサンセリフだとインパクトが出て目立つと思うんだ!」と言いましょうね。
先ほどの会話でさりげなく?説明していたように、ゴシック体のフォントは「インパクトが出る、シンプルなので見やすい、遠くからでも判別可能」といったところが主な特徴になります。
そのため、見出しに使われることが多いですし、向いているんですね。
このゴシック体のフォントですが、太さでも印象が変わってきます。
- 太い(ポップでユーモアがある)
- 中間(堅実性、見やすい)
- 細い(スタイリッシュ、クール、未来的)
このあたりを知っておくとデザインの幅が広がりますよ!
Tシャツにも使える!代表的なゴシック、サンセリフ体のフォント
★ゴシック体
ヒラギノゴシック
完成度も高く綺麗で使いやすいフォント。
macOS:標準装備
Windowsの場合、Noto Sans CJK JP(個人、団体問わず、商用利用可)というadobeとgoogleが共同開発したフリーフォントがかなり似ているようです。
https://www.google.com/get/noto/help/cjk/(英文です)
游ゴシック
すっきりしたゴシックのフォント
macOS/Windows:標準装備
小塚ゴシック
個性的なゴシック
macOS/Windows:標準装備
源ノ角ゴシック
存在感とインパクトのあるゴシック。日本語、韓国語、中国語を網羅しているのでアジア向けに統一感のあるデザインが出来ます。
オープンソース
★サンセリフ体
Helvetica Neue
1957年生まれの今も世界中のあらゆる場所で使われているフォント。Helveticaの派生フォント。読みやすく、シンプル、素朴な書体でありながら、おしゃれ。
macOS:標準装備
Windows:代用として派生したArialが装備
Futura
ドイツ生まれ、ラテン語で未来を意味するフォント。シンプルでさりげないのにインパクトがあり、高級感もあるので、ヴィトンをはじめ数々のブランドでも使われる。アポロ11号とともに月まで行ったフォント。
macOS:標準装備
Windows:MS officeについてくるCentury Gothicが代用として使えなくもない。
impact
個性的でスピード感があるフォント、インパクト、スタイリッシュさなど、タイトルやロゴにぴったり!
macOS/Windows:標準装備
さて、これらのフォントをフォトショップ上で使用し、データ入稿してくださる時はフォントについて細かすぎて見えない、かもしれないというデザイン上のことだけを考えていればいのですが、イラストレーターを使う場合はひとつだけ留意していただきたいことがあります。
それは、フォントのアウトライン化です。
フリーフォントにせよ、有償のフォントにせよ、他のパソコンにも同じフォントが入っているとは限りません。なので、イラストレーターのように、「このフォントで表示」という指示を出してフォントを表示しているソフトの場合は、それを画像化する必要があるんです。
意外と忘れがちなのがこのアウトライン化。
もっともアウトライン化してしまうと、文字ではなく図形化されてしまっているということなので、テキストを編集できなくなってしまいます。なので、入稿する時は別名で保存しておくとよいでしょう。
入稿前は慌ててうっかりアウトライン化していなかったり、上書き保存してしまったりしまいがちなので気をつけましょうね!
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