夜行列車の旅情を楽しむ最後の砦「サンライズ瀬戸・出雲」
ゴールデンウィークでお金を使い過ぎて金欠・・・
夏休みまで慎ましい生活を余儀なくされているスタッフbです。
とは言え、夏休みの計画もそろそろ考えなければならないこの時期、コロナ明けということもありますので、多くの方が夏のレジャーに繰り出すのではないでしょうか。
ドライブ好きのスタッフbとしては、山へ海へと車を走らせたいところではありますが、
相変わらずガソリン代高いし・・・
1回の満タンで1万円オーバーともなると、遠出する気が薄れてしまうのはスタッフbだけではないはず!そんな家計に優しくない庶民の日常生活のなかでも、近年注目されつつあり、男女問わず人気を博しているのが電車旅です。
YouTubeをはじめとする動画共有サイトでも色々と紹介されていますが、今回ピックアップするのが、知る人ぞ知る寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」です。普段、通勤以外であまり電車に乗らない人からすると
寝台特急ってまだ走ってるの?
という印象ではありますが、実はこの「サンライズ瀬戸・出雲」というのは、JRが運航する国内で唯一の定期夜行寝台特急だそうで、サンライズ瀬戸号は東京駅から香川県の高松駅までを結び、サンライズ出雲号は東京駅から島根県の出雲市駅までを結んでいる最後の寝台特急なのです。
今の若い世代は寝台特急なんて知らない・・・
まぁ、当然スタッフbもブルートレイン世代なので、寝台特急という存在自体は決して珍しくは感じないのですが、今の20~30代の方は夜行列車、寝台列車なんて言葉すら知らないかもしれないので、当然珍しく感じるのも無理はないかもしれません。
ちなみに余談ですが、「サンライズ瀬戸・出雲」は途中駅までは連結して運航し、岡山駅で切り離されてそれぞれの終点駅まで運行するという形態を取っています。
でも、なぜ今さら寝台特急が注目されるの?
言うなれば、飛行機でも新幹線でも目的地に早くたどり着く手段は幾らでもありそうですが、なぜわざわざ時間の掛かりそうな特急を利用する必要があるのでしょうか?そこには、
非日常的な空間や時間の過ごし方が存在
して、乗った人しか分からない魅力がたくさんあるからなのです。
もちろん、YouTubeなどで多く紹介されているという側面もありますが、夜行寝台列車の旅情を楽しめる唯一の特急ということもあり、週末などは予約が取れないほど人気が高まっているのです。キャンプなども似た部分がありますが、
時間を無駄にすることを楽しむ
ということも現代社会においては必要(かな?)。
そこで今回は、そんな「サンライズ瀬戸・出雲」の魅力と楽しみ方、そして室内での過ごし方やあると便利なグッズ、車内で着たいルームウェアなどを中心にご紹介していきます。もちろん、ここで挙げる楽しみ方以外にも、
- 予約するならこのタイプがいい
- こんなところも魅力的
- こんなものを準備しておくといい
なんてポイントがありましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。
それではさっそく見ていきましょう!
選べる様々な部屋タイプと夜行寝台ならではワクワク感が魅力
さて、近年「サンライズ瀬戸・出雲」の注目度と人気が高まっている背景にあるのは、やはり定期運行する唯一の寝台列車であることが大きいのではないかと思います。
効率を求める現代社会において、敢えて時間の掛かる寝台特急へのニーズは徐々に薄れていくことが予想され、この定期運行する最後の寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」も、
早晩廃止となるか?、臨時列車扱いとなるか?
その行方が注目されている模様。
車輛そのものは、登場からすでに25年近く経過しているそうで、現在使われている車輛がリニューアルされるのか、新型車が導入されるのか気になるところではありますが、現時点ではとても人気のある車輛ではありますので、早々に廃止になることはないのかもしれません。
そんな定期夜行列車である「サンライズ瀬戸・出雲」ですが、毎晩22時前後の東京駅を発車し、高松駅は翌7時半ごろ、出雲市駅には翌10時くらいに到着するというタイムテーブルです。つまり、
車内でしっかり寝て、翌日午前中から行動できる
という夜行バスと同じような特徴があり、夜行バスよりもちゃんと寝ることができるといったメリットもあります。サンライズ瀬戸・出雲の車内においては、それぞれ様々なお部屋タイプが用意されており、その部屋の広さなどによって寝台料金が設定されています。
- サンライズツイン(2人用個室)
- シングルツイン(2段ベッド個室)
- シングルデラックス(上級1人用個室)
- シングル(標準1人用個室)
- ソロ(簡易1人用個室)
- のびのび座席(寝台料金なしの共用簡易寝台)
料金そのものは、乗車券のほか、特急料金および寝台料金が必要となるため、選ぶお部屋タイプによっては、新幹線より高額になるケースも少なくありませんが、朝早くに現地に到着しておく必要がある場合、前日入りしてビジネスホテルなどに宿泊するよりかはリーズナブルではありますので、そうしたニーズも一定数あるようです。
どうせ乗るなら一番上級の部屋がいい!
と思うのはスタッフbだけではないと思いますが、多彩なお部屋タイプを選べるサンライズ瀬戸・出雲のもう一つのすごい点として挙げられるのが
シャワー室があること!
乗車時にシャワーカードなるものを車内で購入しておけば、6分間という時間制限こそありますが、シャワーを浴びることもできるのです。ただ、ひとつ留意しておかなければならないのが、シャワールーム自体は男女共用なので、人によってはある程度抵抗を感じてしまうかもしれません。
上記でご紹介した上級個室「シングルデラックス」に乗れば、シャワーカードそのものがセットで付いてくるほか、シングルデラックス専用のシャワールームが設定されているのですが、やはり男女兼用という点は、ちょっと初心者にはハードルが高いかもしれませんね。
サンライズ瀬戸・出雲のコアなファンの方は、「すべてのお部屋タイプを乗り倒す」というのがひそかなブームになっているようですが、やはりお世辞にも広いとは言えないシングル個室などは、
非日常的な冒険心をくすぐる
ようで、こうした点もまた人気が高まっている要因なのかもしれません。
あ、ちなみに夜行列車ゆえに車内販売はありませんし、買い物ができそうな途中停車駅もありませんので、
しっかりとビールとおつまみを買ってから乗り込むのが鉄板!
ということは覚えておいてください(笑)
長時間の電車旅に欠かせない便利グッズとルームウェア
これまで、サンライズ瀬戸・出雲号の基本情報をお伝えしてきましたが、上級者の方からすれば、同じお部屋タイプでも車輛のモーターの上は騒音が大きいとか、車輪の真上は乗り心地が悪いとか、経験者でないと分からないようなニッチな情報まで得られるほど、コアなファンが多いのも特徴のひとつ。
やはり寝台特急に乗る以上、ある程度しっかり寝たい!
というのも本音。
もちろん、初めて乗車する人は気持ちが高ぶってなかなか寝付けない・・・ということもあると思いますが、せっかくある程度の料金を払って乗るわけですから、快適な空間でゆったりと過ごすためのポイントをしっかりと押さえておく必要があります。そこでご紹介したいのが、サンライズ瀬戸・出雲号に欠かせない便利グッズ
深夜の夜行バスなども同様ですが、サンライズは個室でベッドがある分、夜行バスよりかは快適かもしれませんが、やはりビジネスホテルなどよりかは騒音であったり車輛の揺れであったりと、快適な睡眠を阻害する要因はいくつかありますので、少しでも室内の快適度をアップするためにも用意しておきたい便利グッズをいくつかご紹介します。
ネックピローやイヤーマフ
シングル以上の個室ベッドには枕がありますが、寝台料金の掛からない「のびのび座席」には枕がありません。もちろん、個室ベッドの枕も体に合うとは限らないので、普段使っているネックピローがあると、睡眠の質を多少なりともアップさせてくれるでしょう。また、耳栓・イヤーマフも安眠の定番アイテムではありますので、騒音が気になる人は用意しておいた方が良いでしょう。
ルームウェア
各個室にはスリッパやルームウェアが用意されていますが、ビジネスホテルのような浴衣みたいなルームウェアなので、その恰好で部屋の外に出るのは少々勇気がいります。ちょっとトイレに行きたい時などもいちいち着替えるもの面倒なので、Tシャツにパンツといったルームウェア的なものを用意しておくと良いでしょう。
また、のびのび座席の場合にはプライベート空間を確保するのは難しく、見ず知らずの人と隣同士で寝ることになるので、乗車した服のまま寝ることを想定した方がよいかもしれません。女性の服装はスカートよりパンツスタイルが基本となり、スカートであればレギンスやパンツを重ね着しておくと安心です。
ちなみに、個室内のエアコンは多少調整できますので、特に寒いということはないと思いますが、体が冷えやすい人はスウェットなど厚手のルームウェアを持っていくのがベスト。ちなみに室内は乾燥するので、飲料水などは多少多めに買っておくようにしましょう。
タオル
意外と用意し忘れてしまうのがタオル。
宿泊施設的な感覚だと、タオルがあって当然だと思いますが、サンライズにはルームウェアは用意されていてもシングルデラックス以外でのタオルの配布はありません。特にシャワーを浴びることができても、拭くタオルがないので、仮にシャワーを浴びなかったとしてもタオルは必須アイテムとして用意しておくようにしましょう。
歯ブラシ等のアメニティ類
上級個室であるシングルデラックスにおいては、タオルや歯ブラシ、シャンプーや化粧水などが入ったアメニティグッズが乗車時に配布されますが、それ以外のお部屋タイプではアメニティがありません。特に室内は乾燥するので化粧水などは必須アイテム。バッグのスペースに余裕があるならUSBに差し込める簡易的な加湿器があっても良いでしょう。喉がカラカラで眠れないといったことを回避することができます。
飲み物・食べ物
サンライズ瀬戸・出雲は、東京駅を出てからいくつかの停車駅がありますが、静岡駅を出ると姫路まで止まりません。もちろん、時間帯的にも多くのお店は閉まっていますので、乗車前に食べ物と飲み物は買っておくのが無難。もちろん、車内に自販機はありますが、売っているものは限られるので、特に朝食を取りたい場合は事前に買ってから乗車するようにしましょう。夜行列車においては、気分が高まって遅い時間までお酒を飲んだりすることが多いので、その点も良く考えて用意しておくのがポイントです!
複数ポートの充電器
各個室においては電源が1つだけありますが、スマホやパソコンなど複数のデバイスをお持ちであれば、複数ポートの充電器は必須アイテムとなります。また車内にはWi-Fiがありませんので、パソコンのネット接続においては、スマホでテザリングを行うか、ポケットWi-Fiなどを用意しておく必要があります。
いかがでしたでしょうか?
夜行列車ならではの旅情を味わえるのは、今やサンライズ瀬戸・出雲だけになってしまいましが、電車で移動しながら個室を堪能でき、さらにしっかり寝ることもできる!そんな貴重な体験を味わえるものこのサンライズならではなのです。
今の時代、敢えて高いお金を払って、余計に時間が掛かる移動手段を選ぶというのも非効率に感じるかもしれませんが、サンライズ瀬戸・出雲はいわばエンターテイメントとも言え、単に移動手段にとどまらない魅力がそこにある!ということを実際に体験してみてはいかがでしょうか?