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カラフルなインコ

インコはなぜカラフルなの?!鮮やかな羽色の秘密に迫る

Staff B / 2024年5月16日

絶妙な色を身に纏うインコの謎


カラフルな鳥といえば、みなさんはどんな鳥を思い浮かべますか?


ペットとして身近なのは、手のひらに乗るサイズの黄色と黄緑、白と水色といった羽毛のセキセイインコかと思います。

おしゃべりしたり、歌を歌ったりと飼い主とコミュニケーションをとる鳥としても人気ですが、その原種はオーストラリアに生息し、頭や羽は黄色に黒い模様が入り、体は黄緑色。

白や水色、青色といったセキセイインコは、メラニン色素や黄色色素の欠落によって生じたものであり、品種改良などによって今ではさまざま品種があります。


ちなみに、色とりどりの羽毛を持つカラフルなインコは、キセイインコ以外にも、オーストラリアや南アメリカ、アフリカ、東南アジアなどの熱帯や亜熱帯の地域に生息しています。

赤や青、黄や緑などの色とりどりなインコはまるで自然界のカラーパレットのようですが、なぜインコはこれほどまでにカラフルなのでしょうか?


その理由は諸説ありますが、以下の2つが大きな理由とされています。

  • 同じ種の個体を識別するため
  • 異性にアピールするため


インコをはじめとしたカラフルな鳥類は熱帯雨林や亜熱帯林に生息していることが多いのですが、ジャングルなどでは大きな木が茂っているために、日の光が届きにくく、日中でも薄暗いのです。そのため、地味な羽色であれば同じ種の仲間や繁殖相手を見つけることが困難になってしまいますが、赤や青などの目立つ色であれば、仲間や繁殖相手を見分けやすくなります。


また、ニューギニア、オーストラリアなどに生息するオオハナインコは、オスは緑と赤、メスは赤と紫色の羽毛を持ち、オスとメスでは羽色が全く異なります。色が違いすぎるために、かつては別の種類だと思われていたほどですが、今では繁殖のために異性へのアピールだとは考えられています。


このようなことから、インコは色彩を識別できていることになりますが、実はインコを含め鳥類は人間よりも広い色覚をもっていることが知られています。人間が識別できる色は、赤から紫までの可視光線ですが、鳥は紫よりも波長の短い紫外線も色として認識しています。

人間と鳥類の可視域の比較


下記の画像の右側は紫外線を通すフィルターで撮影したものですが、鳥類は紫外線が見ているために私たち人間とは全く違った世界で暮らしているといっても過言ではなく、私たちに人間にとってその世界は想像をはるかに超えているのかもしれません。


なお、人間の感覚ではカラフルであればあるほど自然の中で目立ってしまい、天敵に襲われてしまう危険性が高まるのではないかと考えがちですが、熱帯雨林やジャングルなどでは緑色の羽色は葉の中に紛れ込み、天敵の目を欺くのに適しています。

また、ほとんどの哺乳類は2色覚のため緑〜赤の区別ができないので、カラフルな羽色を纏うリスクはそれほど大きくはないのかもしれませんね。


青の色素はない!?インコの羽の仕組み


さて、そんなカラフルなインコの羽の仕組みはどのようになっているのでしょう。


人間の黒眼や髪の毛の黒はメラニン色素、エビやカニの赤はカロテノイド色素によるものですが、インコの羽色も色素によるものなのでしょうか?


実は、必ずしも色素によるものではないのです。


というのも、インコの羽はケラチンというタンパク質が主成分となり、3つの薄い層(皮質・雲細胞、髄質)によって構造されています。


インコの羽の三層構造

  1. 皮質:サイタコファルビン色素(シッタシン色素)(赤・黄色)
  2. 雲細胞:青い光を生み出す構造色
  3. 髄質:メラニン色素(黒、茶色)


皮質にはインコ特有の色素であるサイタコファルビン色素があり、その含量によって赤や黄色、白を作り出します。

髄質にはメラニン色素があり、黒や茶系の暗い色を作り出します。

雲細胞は中空のスポンジ層であり無色なのですが、ケラチンの立体構造によって構造色を作り出すことができるのです。
実はインコの青色は色素ではなく、雲細胞で作られた「構造色」なのです。


水面に浮かんだ油膜やCDの虹色、キラキラと虹色に光る昆虫なども、光の屈折によって特定の色を生成する構造色によるもので、インコの羽においては、青い色素がなくても羽の表面や内部に存在する微細な凹凸に光が当たることで、青く見せることができているのです。


このことからお分かりいただけると思いますが、インコの羽色は色素と構造色の2つの組み合わせで作り出されているもので、青の色素がなくても、構造色によって青いインコが存在するのです。


ちなみに、カワセミやオオルリなどのインコ以外の青色の鳥類も全てこの構造色によるものです。また、色素は時間の経過とともに色褪せが生じてしまうものもありますが、構造色はその構造による光の反射で作られるものなので、ケラチンタンパク質の構造パターンが壊れない限り色が褪せることはありません。


カラフルなインコ5選


ここからは、色とりどりのカラフルなインコを5種紹介します。


コンゴウインコ(アカコンゴウインコ) (Scarlet Macaw)

アカコンゴウインコ

目属科:オウム目 インコ科

分 布:中南米(ペルー、ブラジル)

体 長:81cm〜96cm

体 重: 1000g

寿 命:約50年


動物園で見たこともある人も多いかと思いますが、赤、青、黄、緑といった鮮やかな原色の羽が特徴的なコンゴウインコは、ペルーとブラジルのアマゾン川流域に生息する、体長80〜100cmのインコの中では最大種です。顔周りは羽毛がなく、黒くて大きなクチバシは果実の皮や果物を砕くほどの強力さを持っています。大きな声で鳴くことができ、人の声色をまねることが得意です。



ナナクサインコ (Platycercus eximius)

ナナクサインコ

目属科:オウム目 インコ科

分 布:オーストラリア、タスマニア

体 長:30〜33cm

体 重:100〜125g

寿 命:約15年


赤、黄、緑、青、紫、白、黒の7色を身にまとうナナクサインコは、セキセイインコと同じくオーストラリアに生息している中型インコです。警戒心が強く、臆病な性格といわれており、ペットとして買う場合には時間をかけて慣らすようにしましょう。



ヒムネキキョウインコ (Neophema splendida)

ヒムネキキョウインコ

目属科:オウム目 インコ科

分 布:オーストラリア、タスマニア

体 長:19〜22cm

体 重:約40g

寿 命:約12年


オーストラリアに生息している小型インコです。オスとメスで見た目が異なる雌雄異体であり、オスは上の写真の通りとてもカラフルで胸部には真紅の赤い羽が生えています。一方、メスはオスの派手な色合いとは対照的でグレーっぽい色をしています。穏やかな性格なものの、ラブバードと呼ばれるほど情愛深くはないようです。



ボタンインコ (Agapornis lilianae)

ボタンインコ

目属科:オウム目 インコ科

分 布:アフリカ・タンザニア中央部周辺

体 長:14〜15cm

体 重:45〜50g

寿 命:約10年


パートナーや飼い主への愛情が深いことからラブバードと呼ばれるボタンインコですが、いくつかの種類があり、どれもみなカラフルです。ペアになると仲良く寄り添いあう姿を見ることができますし、1羽単体で飼うと飼い主に甘えてくれるそうです。



ゴシキセイガイインコ (Rainbow Lorikeet)

ゴシキセイガイインコ

目属科:オウム目 オウム科

分 布:東南アジア、ニューギニア、オーストラリア

体 長:25〜30cm

体 重:約130g

寿 命:15〜20年


レインボーロリキートとも呼ばれ、虹を身にまとっているような美しさが特徴のゴシキセイガイインコ。名前には「インコ」とあるものの、色合いが異なる亜種が多いため、オウム科とされていたり、ヒインコ科とされていることもあります。人なつこい性格で、人の声や音のまねが得意。野生で暮らすゴシキセイガイインコは、花の蜜や花粉、果物などを食べます。


いかがでしたか。

今回はインコのカラフルな羽の色についてお伝えしましたが、色鮮やかで美しいインコはまさに自然界の奇跡といっても過言ではないのでしょうか。


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一度きりの人生を思いのまま生きている、飽くなき探究心が原動力のサブカル系アラフォー女子。流行に左右されず、趣味もファッションも独自路線を進み続けているため同世代の友人は少ないもものの、気の合う仲間とハイボールで乾杯するのが何よりの楽しみ。最近は奇岩と巨石にどハマり中!多趣味であるが故の金欠が最大の悩み。