ニットって生地素材のことなの?!
今日は何を着ようかなーと服装を考えるとき、必ず気にするのは天気や気温ではないでしょうか。特に冬の寒い季節はウールやカシミヤといった暖かい素材のニット、暑い季節はサラリとした肌触りのTシャツ、さらに春や秋の季節の変わり目には、七分袖のカットソーなどの洋服を身につけたくなりますね。
このように、何気なく使っている「ニット」や「カットソー」という言葉。
なんとなく意味はわかっているけど、厳密に定義を説明できない人も少なくないのではないでしょうか。
たとえば、セーターのことをニットと呼ぶことが一般的になっているので「セーター=ニット」と認識している人は多いものの、
ニットとは、1本の糸で輪っか(ループ)を作りながら編んだ生地(素材)のこと
であり、
セーターとは、ニット生地で仕立てたトップスのこと
なのです。
つまり、ニットは生地(素材)であり、セーターは衣類の名称。
そのため、寒いシーズンに着ている洋服は、ニット素材のセーターやカットソーだったりするのです。
セーターは理解できたけど、そもそもカットソーってどんな服を指しているかお分かりですか?
定番アイテムとして使うことも多いのですが、分かるようで分からないカットソー。
そこで今回は、アパレル関係者でも違いを把握できていない人もいると言われるカットソーの定義についてご紹介します。
恥ずかしながら、スタッフBもよく理解していなかったと反省…。
みなさんにもぜひ知っていただきたいので、ファッション用語の備忘録として説明していきます。
知っているようで理解できてない、そんな言葉はひとつずつしっかりと覚えていきましょう!
Tシャツもカットソーの仲間?カットソーの定義について
さて、ニットとは糸で編んだ生地(素材)のこととお伝えしましたが、衣類の名称であるカットソーとは何を指しているのでしょうか。
あまりファッションに詳しくない人であれば、ボーダーの長袖や七分丈のトップスをイメージされる方も少なくありませんが、カットソーとは、cut and sewn(カット・アンド・ソーン)の言葉の通り、
ニット生地を裁断(カット)し、縫製(ソーン)して作られる衣類のこと。
そのため、長袖や七分丈のトップスに限らず、Tシャツやスウェット(トレーナー)なども、ニット生地から作られているのでカットソーなのです。
カットソーと呼ばれる衣類には次のようなアイテムが該当します。
- Tシャツ
- ポロシャツ
- キャミソール
- スウェット
- セーター
- カーディガン
最近では、カットソーのスーツやワンピースなどもあるので、
いつも着ている服って全部カットソーなの!?
と驚きの声も聞けちゃいそうですが、生地を裁断して縫い合わせている服はどれもカットソーと言うわけではありません。
平織りや綾織りといった、縦の糸と横の糸を交差させ織り込んだ生地を裁断して縫い合わて作られるYシャツやデニムはカットソーとは言わないのです。
《織物と編み物の違い》
織物:縦糸と横糸で作られ、伸縮性があまりなく丈夫だが、通気性が低く、シワになりやすい
編み物:長い1本の糸で作られ、縦横に収縮性が高く、通気性が良い
セーターもカットソー?!セーターとカットソーの違いとは
カットソーと呼ばれるアイテムにはセーターやカーディガンも該当するとお伝えしましたが、セーターやカーディガンの中にはカットソーとは言えないものもあるのです。
はい、ちょっと再び頭が混乱してきましたが、そもそも
セーターとは、身頃や袖などのパーツに合わせて形を編み、それを縫い合わせて作るもの。
裾や袖先にリブ編みが取り付けらいるものが多く、伸び縮みする編地どうしを縫い合わせるリンキングという独特な縫製で繋ぎ合わせます。
・パーツに合わせて形を編む
・リンキングで繋ぎ合わせる
ことがセーターであり、切って繋ぎ合わせることがカットソーなのです。
このリンキングの作業は、人間が編み目を一目一目拾って針に指していくもので、とても労力のかかる作業。反対に、カットソーであればニット生地をカットして縫うだけなので、縫製スピードが速いためにローコストで作ることができるのが特徴。
そのため、ザックリ編まれた分厚いセーターも、ニット生地からカットされて作られてることも多く、セーターだと思ったら実はカットソーに分類されるものも多いのです。
このようにカットソーとセーターの区別はつきにくい部分もありますが、ニットっぽいカットソーで「ニットソー」、カットソー仕上げのニットといった、わかりやすいネーミングの商品も販売されています。
いかがでしたか。
「ニット」「カットソー」「セーター」どれも何気なく着用しているアイテムですが、調べてみるとその言葉の意味は全く違うもの。スウェットやキャミソールなどもカットソーの部類になりますが、ファッション用語の豆知識として覚えておくといいですね。