冬のあったか素材の定番といえば「フリース」や「裏起毛」。どちらも防寒に優れ、日常使いからアウトドアまで幅広く活躍する素材として人気ですが、実はその素材や加工方法、温かさに違いがあるのです。
フリースはポリエステル素材を用いた軽量で柔らかく、速乾性と通気性に優れ、アクティブなシーンにも最適です。一方、裏起毛は、表地の裏面に起毛加工を施し、空気の層を作ることで保温性を高め、心地よい肌触りが魅力です。
そこで今回は、これらの素材の違いや加工方法について解説し、それぞれの保温性や着心地を比較しながら、寒い季節に適したアイテム選びのポイントを紹介します。それぞれの素材のメリットを知り、冬を快適に過ごすためのアイテム選びの参考にしてください。
フリースとは
フリースといえば「ユニクロ」のイメージが定着し、全国民1人1枚は持っているかと思ってしまうほどのマストハブアイテムですが、もともとはアメリカでアウトドアブランドのパタゴニアと繊維メーカーが開発した素材です。従来のウールと比較してはるかに軽量で、保温性と速乾性が高く、さらに動きやすいという特性を持ち、アウトドア愛好者の間で支持を集めていた素材で、それを日常使いに改良し、手頃な価格で販売したのがユニクロなんです。
フリースの素材
フリースは石油由来の合成繊維であるポリエチレンテレフタラート(PET)と呼ばれる、ポリエチレン素材の一種から作られています。加工しやすい樹脂なので、フリースのほかにペットボトルやお菓子容器の製造などに用いられる素材です。
フリースの加工方法
ポリエステルの糸を編み機で編み、ニット状の生地を作り、編まれた生地に起毛加工を施し、表面をふわふわに仕上げます。余分な毛をカットし、見た目が整い、滑らかな触感を実現させ、最後に染色や仕上げ加工を行います。
フリースの主な特徴
- 軽量で柔らかい
- 保温性や速乾性に優れている
- 強度が高く、耐久性に優れている
- シワになりにくい
このように、化学繊維ならではの機能性があり、着心地が良いため、タウンユースはもとよりスポーツやアウトドアシーンでも人気があります。その他には、コスパにも優れているといったメリットもあるので、手軽な価格で購入できる点もフリースの利点といえるでしょう。
裏起毛とは
冬のあったか素材のひとつである「裏起毛(うらきもう)」。こちらは厳密に言うと、加工方法のひとつなので素材とは異なりますが、トレーナーの裏地をはじめ、さまざまなウェアの裏地に採用されていることが多い加工になります。
裏起毛の素材
合成繊維のポリエステルやアクリル、コットン(綿)やレーヨン、ウールなどがあります。
裏起毛の加工方法
裏起毛とは、裏地の素材を毛羽立たせて生地にボリュームを出したものでフリースや毛布のような質感で、その製造は通常の生地を作成した後、裏面に起毛加工を施すことで行われます。起毛の量や長さは、生地の種類や用途によって調整されるため、さまざまなバリエーションが存在します。
裏起毛の主な特徴
裏起毛の最大の特徴は、裏地に施された起毛加工によって生まれる暖かさです。裏起毛によって空気の層が体温を逃がさず、寒い季節でも暖かさをしっかりとキープします。また、裏起毛の表面は滑らかで、肌に優しい触り心地を提供します。これにより、寒い季節でも快適に過ごすことができます。
なお、裏地の加工は裏起毛と似た名称の裏毛(うらけ)という加工方法もあります。こちらも裏起毛同様スウェット類によく使われる加工で、裏糸をタオル生地のようなループ状に編み込んだ生地を指します。吸水性・吸湿性に優れており、汗を吸い取ってくれるのでスポーツウェアにも使用されていますが、裏起毛と比較して保温性は低いため、寒い季節には重ね着する必要があるアイテムです。
フリースと裏起毛の比較
このように、フリースと裏起毛はどちらも寒さ対策に効果的なアイテムですが、用途や特徴に微妙な違いがあります。ここでは、フリースと裏起毛の温かさ、動きやすさ、オリジナルプリントへの対応について比較し、それぞれの素材が適しているシーンも紹介します。
温かさ
どちらも保温性に優れ肌触りも良いのですが、その保温の仕組みは異なります。フリースは生地全体が起毛加工しているのに対して、裏起毛は生地の裏面のみを起毛加工しています。また、生地の厚みはさまざまですし、フリースの素材はポリエチレンテレフタラートですが、裏起毛はコットンやウール、アクリルなどの素材を使用しているという違いもあります。一概にどちらの方が暖かいとは言えませんが、同じ質量であれば一般的にフリースの方が暖かいと言えるでしょう。
動きやすさ
動きやすさに関しても、フリースと裏起毛には違いがあります。フリースは、軽量で伸縮性があり、動きやすさが特徴です。柔軟性が高いため、スポーツやアウトドアアクティビティに適しており、動きが多いシーンでもストレスなく着用できます。一方、裏起毛は一般的にフリースよりもやや厚手で、特に裏起毛のスウェットパンツなどは多少動きが制限されることがあります。しかし、裏起毛も柔らかい素材が多く、普段着としての動きやすさは十分確保されています。
オリジナルプリント対応
オリジナルプリントには、表面が滑らかな裏起毛のアイテムが適しています。特にスウェットやパーカーなどのカジュアルウェアでは、プリントのデザインがきれいに映えるため、ブランドロゴやイラストを入れることが多く見られます。一方、フリースは表面が起毛しているため、プリントには適していません。そのため、フリース素材を使用したアイテムには刺繍やワッペンがよく用いられます。このように、オリジナルデザインを加えたい場合は、素材の特徴に応じて適切な加工方法を選ぶことが大切です。
まとめ
このように、フリースと裏起毛はそれぞれ異なる魅力と特性を持っています。どちらの素材も普段使いにおすすめですが、フリースは動きやすさや速乾性が求められるアクティブなシーンに、裏起毛はリラックスしたい日常のカジュアルシーンに最適です。
フリース | 裏起毛 | |
---|---|---|
温かさ | ◎ | ◯ |
動きやすさ | ◎ | ◯ |
オリジナルプリント対応 | × | ◎ |
活用シーン | アウトドア、スポーツ | カジュアル、リラックス |
プリントもできるあったかアイテム
これまで裏起毛とフリースの違いをご紹介してきましたが、実際に商品によっては裏地だけフリースが使われていたり、フード部分だけ裏起毛であったりと製品によってマチマチ。それらをパッと見で判断するのが難しい場合もありますが、そんな時には質感をチェックするとよいでしょう。
ここでは、プリント加工ができる冬のあったかウェアとして、オススメの裏起毛素材のアイテムをご紹介します。
クルーネック スウェット
5799-01 15.0オンス オープンエンド マグナムウェイト クルーネック スウェット(裏起毛)
https://tplant848.com/product/0579901
裏起毛仕様の15.0オンスの極厚生地は保温性抜群。
生地の表糸はオープンエンド糸を使用してシャリ感とラフな雰囲気を演出し、リラックス感のあるゆったりとしたサイズ感にこだわった一着は、さまざまなスタイリングにマッチするアイテムです。
5627-01 10.0オンス T/C ビッグシルエット クルーネック スウェット
https://tplant848.com/product/0562701
10.0オンスのオーバーサイズの裏起毛仕様のあったかトレーナー。
大きめのサイズ感とドロップショルダーでラフなスタイルに仕上がります。カラー展開は定番カラーの他にくすんだ色のスモーキーグリーンやメルローなどもあり、オリジナルプリントで今どきスウェットを作れます。
プルオーバー パーカ
5798-01 15.0オンス オープンエンド マグナムウェイト スウェット プルオーバー パーカ(裏起毛)
https://tplant848.com/product/0579801
15.0オンスの極厚生地の裏起毛プルオーバーパーカー。
しっかりとした質感は立体的なフードに仕上げています。生地の表糸はオープンエンド糸を採用し、独特のシャリ感や経年変化を楽しむことできるでしょう。
00347-AFH 10.0オンス ドライ裏フリースパーカー
https://tplant848.com/product/00347-afh
ドライ素材の裏起毛プルオーバーパーカー。
暖かく柔らかい着心地で、速乾性が高いため、洗濯後の乾きも早いのが利点。ポップなカラー(全12色)と豊富なサイズ(SS〜5L)展開となり、あなたにピッタリのオリジナルパーカーを作ることが可能。
フルジップ パーカ
5797-01 15.0オンス オープンエンド マグナムウェイト スウェット フルジップ パーカ(裏起毛)
https://tplant848.com/product/0579701
アウター代わりとしても活躍できる、15.0オンスの極厚生地の裏起毛フルジップパーカー。
生地の表糸はオープンエンド糸を使用しているため独特なシャリ感で、本格的なアメリカンの雰囲気を楽しめる仕上がりになっています。
5620-01 10.0オンス T/C スウェット フルジップ パーカ
https://tplant848.com/product/0562001
裏起毛の軽くて丈夫なフルジップパーカー。
着脱が容易なフルジップタイプは、晩秋から初冬にかけてのアウターとしても、冬季のインナーとしても重宝する万能アイテムです。