カラフルなTシャツを天日干し

Tシャツも日焼けする?色褪せと紫外線の関係

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Tシャツが色褪せる4つの理由

「お気に入りTシャツが色褪せてしまってガッカリした…」という経験をお持ちの方も多いのでしょうか。大切なTシャツはできるだけ長くきれいな状態で着たいものですが、特に黒や紺などの濃い色のTシャツの場合には、洗濯のたびに色が薄くなっていくと感じる場合もあります。

ビンテージ風なデザインであればさほど問題はありませんが、そうでない場合にはどうしても着古した感じになってしまい、だらしない印象を与えることになりかねません。そのような色褪せTシャツは部屋着行きになることがほとんどかと思いますが、どうしてTシャツはそんなにも色が褪せてしまうのでしょうか。

今回はそんなTシャツの色褪せについてお伝えします。なぜTシャツは色が褪せてしまうのか、どうしたら色褪せを防ぐことができるのかを考えていきましょう。

まずはTシャツの色が褪せる主な要因を4つ紹介します。

紫外線

紫外線は繊維や染料にダメージを与え、色褪せを引き起こします。特に長時間、日光にさらされると、色が急速に退色することがあります。なお、蛍光灯やLEDでも色褪せを起こしますので、室内でも注意が必要です。

汗には塩分や酸性成分が含まれており、これらがTシャツの染料と反応することがあります。特に、汗に含まれる鉄分が染料と反応し、色素の変化や退色を引き起こすことがありますので、一度着用したTシャツは、なるべく早めに洗うように心がけるとよいでしょう。

排気ガスや燃焼ガス

排気ガスやストーブやガスコンロの燃焼ガスに含まれる酸化窒素化合物は、Tシャツの染料と反応して色素の変化や退色を引き起こすことがあります。また、クローゼットやタンスの中は空気が循環にくいため、それらのガスが下に溜まりやすく、長期保管することで衣類の下部から上部にかけてグラデーションのような変色などを引き起こします。

洗濯(方法、温度、洗剤など)

頻繁な洗濯や高温での洗濯は繊維や染料に負担をかけ、色褪せを引き起こします。また、洗浄力が強すぎる洗剤や漂白剤の使用も色褪せの原因となります。

このようにTシャツの色褪せにはさまざまな要因がありますが、中でも最も知っておきたいのが紫外線の影響です。紫外線といえば、日焼けやシミ・そばかすの原因となるため、1年中、日焼け止めを毎日塗っている人も少なくありませんが、そんな紫外線はTシャツにとってどのような影響があるのでしょうか。

紫外線が与えるTシャツへの影響

Tシャツは染料によって色付けされていますが、そもそも染料には発色団と呼ばれる光を吸収する原子団が存在し、化学結合と特定の波長で吸収される光の量に基づいて発色しています。そして、紫外線を浴びることにより、紫外線エネルギーによって染料の分子が化学分解したり、酸素分子が活性化したりすることで、色褪せや変色を引き起こすのです。

紫外線による退色のメカニズム

《染料分子の分解》

紫外線は染料分子の化学結合を破壊する力があります。そのため、染料分子が紫外線を吸収すると、そのエネルギーにより分子内の化学結合が切れ、染料が分解されます。この分解によって、染料の発色機能が失われてしまい、色が薄くなったり、変色したりするのです。

《光酸化反応》

紫外線が染料分子に当たると、光酸化反応が進行します。これは、紫外線が染料分子にエネルギーを与えることで酸素と反応しやすくなり、酸化分解が進むというプロセスです。この酸化反応によって染料分子の構造が変化し、色の変化が生じます。

《光劣化》

紫外線は繊維自体にも影響を与えます。繊維が紫外線を浴び続けると、繊維の分子構造が破壊され、脆くなります。これにより、これまで繊維に定着していた染料が定着しにくい状況になり、結果として色褪せが起こります。

なお、紫外線とは太陽から放射される電磁波の一種です。電磁波は波と粒子の性質を併せ持っており、電磁波の粒子(光子)一つが持つエネルギーの大きさは電磁波の波長と反比例の関係にあります。

つまり、「波長が長いほどエネルギーは低く、短いほどエネルギーが高い」ということになるのです。

電磁波の波長とエネルギーの関係

上の図を見ても分かるように、紫外線は可視光線よりも高いエネルギーを持っています。そのため、紫外線の働きはメリットになることもあれば、デメリットにもなるようなこともあるのです。

紫外線の主なメリット

  • 殺菌効果
  • 太陽光発電
  • ビタミンDの生成

紫外線の主なデメリット

  • 皮膚の老化、シミそばかすの発生
  • 色褪せや変色を引き起こす
  • 繊維やプラスチック、塗装などの劣化

このようにTシャツの色褪せはまさに紫外線のデメリットといえますが、繊維の劣化も色を保持する能力が低下してしまうことになるので、紫外線対策として直射日光を避けたり、紫外線防止スプレーを使ってみたりするとよいでしょう。

汗と紫外線でダブルパンチ?!複合変色の恐ろしさ

Tシャツの色褪せの要因は紫外線が大きく関わっていますが、侮れないのが汗の存在。

人間の汗は体温を下げるために体の表面から出る液体であり、その成分の約98%は水分ですが、残りの2%の中には塩化ナトリウムやカリウム、アンモニアや尿素などのさまざまな成分で構成されていますが、これらの成分もTシャツの色褪せの原因となっています。

そんな汗と紫外線が組み合わさることで、Tシャツの色褪せや変色がさらに顕著になります。このように複数の要因が組み合わさって物質の色が変わる現象を「複合変色」と呼びますが、汗と紫外線はその相互作用によって染料や繊維の物質の分子構造や化学組成に変化が生じ、その結果として色が変わるのです。

また、汗の成分には、紫外線に対する「染色堅牢度(せんしょくけんろうど:染料によって染められた生地の色落ちや変色の強さ)」を低下させる働きも持っているため、汗が付着した状態で紫外線を浴びることで、より大きなダメージを受けやすくなってしまうのです。

なお、この汗と紫外線による色褪せは、汗をかきやすい首回りやワキ部分が多く、色むらやまだら模様になってしまうことがありますし、白っぽいTシャツであれば黄ばみとなってしまうことがありますので、汗をたくさんかいた場合にはその日のうちに洗濯することが基本です。

どうすれば色褪せない?Tシャツの色褪せ対策

このようにTシャツは着用することで色褪せが生じやすくなってしまいますが、色褪せを防ぐためには適切なケアと対策を講じることが大切です。また、一度色褪せてしまうと完全に元通りにすることは難しいものの、

ですが、いくつかの方法で改善することができます。

ここでは、色褪せを防ぐための具体的な方法を紹介します。

洗濯時の色褪せ対策

汗がついたまま放置しない

汗は色褪せの原因になるため、汗がついたTシャツはなるべくその日のうちに洗濯しましょう。シミや臭いの原因ともなりますので、数日放置するようなことは控えましょう。

裏返して洗濯ネットに入れる

洗濯時の摩擦は色褪せの原因となりますので、裏返して洗濯ネットに入れることで他の衣類との摩擦を軽減し、絡みつくことも防げます。

色味(濃い色・薄い色)を分けて洗濯する

色味を気にせずに全てまとめて洗濯してしまうと、他の衣類に色が移ってしまう場合もあります。そのため、濃い色と薄い色の衣類に分けて洗うことで、色移りを防ぐことができます。

洗濯機のモードを「おしゃれ着コース」などにする

洗濯機には「おしゃれ着コース」や「弱水流コース」、「デリケートコース」などの機能がついている場合もあります。これらのコースは水量や水流などが工夫されているため、布地への負担が少なくなり、色褪せを防ぎやすくなります。

お湯ではなく水で洗濯する

水温が高ければ洗浄力は上がりますが、その一方で水温が高ければ高いほど染料が溶け出してしまうため、色が褪せたり、色落ちしやすくなります。

中性洗剤の使用

主な洗濯洗剤の成分は中性や弱アルカリ性ですが、弱アルカリ性ではなく中性を選びましょう。弱アルカリ性は皮脂汚れや食べ物による汚れなどに効果的ですが、洗浄力が強いため、色が褪せたり、色落ちしやすくなります。

漂白剤や蛍光剤が含まれていない洗剤を選ぶ

洗濯洗剤には漂白剤や蛍光剤が含まれているものもありますが、色褪せや色落ちの原因となりますので、それらが含まれていないものを使用しましょう。

脱水後は放置せずにすぐ干す

脱水後そのまま放置しておくと温度の高い状態が続き、色褪せや色移りを進めてしまいます。

洗濯時の水に色がついていなくても安心せず、脱水後はなるべく早めに干すことを心がけましょう。

直射日光を避け、裏返した状態で日陰に干す

天日干しは色褪せの原因となりますので、日光などが直接当たる場所ではなく、日陰になる場所や室内に干しましょう。裏返して干すことで、表面が直接日光に当たるのを防ぎます。室内の蛍光灯やLEDでも紫外線が含まれていますので、乾いたらクローゼットや引き出しにしまいましょう。

また、殺菌や臭いのために天日干ししたい場合もあるかと思いますが、一日の中でも紫外線量が多いのは10時頃から14時頃までですので、それ以外の時間帯で2時間程度ならさほど影響が少ないといえるでしょう。

なお、一度色褪せてしまうと元通りにすることは難しいのですが、色止め効果として、塩やお酢を活用するのもおすすめです。塩は水に溶けて塩化ナトリウムとなり、水中のイオン濃度を上げることで染料の拡散を防ぎ、お酢は酢酸を含み酸性の性質を持つため、一部の染料が安定し、色止め効果が期待できます。

このような対策をを講じることで、洗濯の際の色褪せを軽減し、良い状態を少しでも長く保つことが可能になります。

また、最近は染色堅牢度を向上させる染色方法や染料の開発が進んでおり、こうして誕生した色褪せしにくいTシャツを選ぶことも有効な対策の一つでしょう。

染色工程の裏側 | United Athle コラム【QUALITY THINKING】

このような企業努力があることにより、昔のTシャツに比べて最近のTシャツは色褪せしにくくなっているのかもしれません。

United Athle(ユナイテッドアスレ)商品一覧

今回は紫外線によるTシャツの色褪せについてお伝えしましたが、汗をかくことで複合変色を引き起こしてしまいますので、着用後はその日のうちに洗濯し、直射日光が当たらないような場所で干すことが大切です。

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Staff B
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一度きりの人生を思いのまま生きている、飽くなき探究心が原動力のサブカル系アラフォー女子。流行に左右されず、趣味もファッションも独自路線を進み続けているため同世代の友人は少ないもものの、気の合う仲間とハイボールで乾杯するのが何よりの楽しみ。最近は奇岩と巨石にどハマり中!多趣味であるが故の金欠が最大の悩み。