カレーのシミ抜きは難しい?!
衣類についてしまった食べこぼし汚れって、とても厄介なものですよね…。
汚した直後にシミ取りできるときはいいものの、干す段階でシミになっていることに気が付いたり、衣替えした際に気が付いたりすることもままあるものです。
洗ったのにシミなっている…今からでもシミを落とすことができるのかな?と、あれこれ試してみる方も多いかと思いますが、中でも
カレーの黄色いシミはなかなか落ちないものです。
シミ・黄ばみ汚れの味方である“酸素系漂白剤”でも黄色いシミを完全に落とすことはできないですし、皮脂汚れや泥汚れなどの頑固な汚れを落としてくれる“固形石鹸”を使えば、アルカリ性になってしまい赤色のシミになってしまうんですよね…。
そもそも衣類のシミは主に、コーヒーや果汁などの水に溶けて分解することができる“水溶性のシミ”と、チョコレートやファンデーションなどの油に溶ける“油性のシミ”の2種類に分類されます。
ところが、カレーのシミは水溶性と脂溶性が混ざった“混合性のシミ”なので、水溶性や油溶性単体のシミよりも落ちにくいのです。
さらに、それとは別にカレーのシミが残りやすくなってしまう原因としてカレーらしさの元となる黄色い色素のスパイスのターメリックが関係しており、ターメリックが入り混じることで強力に染み付いてしまうのです。
なお、この黄色い色素”クルクミン”は、古来より食品や布なのなどの着色料として使われているほど、一度染まると簡単には落ちにくく、時間が経過するほど繊維と結合する力が強くなるため、シミに気付いたら早めに対処することが重要です。
とはいっても、混合性の汚れと色素によるシミはどうすれば落ちるのか悩ましい限りですが、実は黄色い色素を落とすには、洗剤のパワーだけでなく天日干しが効果的だったりするのです。
天日干しするだけでシミが落ちるの?!
と驚きを隠せませんが、カレーに限らず、ケチャップの色が染み込んだお弁当箱など、天日干しすることでシミが消えるのです。
そこで今回は、何をしても落ちなかったカレーの黄色いシミを落とすべく、天日干しについてお伝えしていきます。とっても簡単にシミを落とすことができるので、ぜひこの記事を参考にして試していただければと思います。
太陽が放つ光には色素を分解する作用がある
改めて説明する必要はないとかと思いますが、天日干しとは直接日光に当てて干すことで、
・太陽の熱で洗濯物がよく乾く
・太陽光(紫外線)で菌やウイルスを死滅・殺菌する
などの効果はみなさんご存じのとおりです。
そして、先ほどお伝えしたようにカレーのシミを落とす効果があるのです。
というのも、太陽光のうちの紫外線といえば、皮膚にダメージを与えてシミやシワの原因となったり、ポスターやマンガなどの色あせ引き起こしたりするものですが、
ターメリックの黄色い色素“クルクミン”は
紫外線が当たると化学構造が変化して、色素が退色する
ため、黄色いシミが消えたように見えるのです。
紫外線はカレー汚れの黄色い色素にだけに効くため、タンパク質などの他の汚れを落とす効果はありません。ですので、天日干しする前に食器用中性洗剤や酸素系漂白剤を使ってしっかりと汚れを落とすようにしましょう。
ただし、陰干しでなければいけない衣類や、シルクなどのデリケートな素材は傷んだり色あせたりすることがあるので、色あせが心配な服や大切に着続けたい服の天日干しは諦めてくださいね。また、濃い色ものは紫外線によって色あせする可能性もありますので注意しましょう。
なお、紫外線によって色素が退色するので、ネイル用紫外線ライトや除菌用紫外線ライトでの照射でもカレーの黄色いシミを消すことできます。
カレーの黄色いシミを効果的に落とす方法
ここでは天日干しする前段階の食器用中性洗剤と酸素系漂白剤を使ってタンパク質や油分を落とす方法をお伝えします。ただし、水洗いできるものかどうか洗濯表示を必ずチェックし、水洗いできるものであれば色落ちの有無をチェックしてから行いましょう。
食器用中性洗剤で汚れを落とす
食器用中性洗剤には界面活性剤が含まれているため、繊維の中の油溶性の汚れとしっかりと結びつき、水と一緒に外に汚れを運び出してくれます。
1、乾いたティッシュや布で大まかな汚れをふき取る
早速シミ抜きを行うのではなく、表面の汚れを落としましょう。
2、シミの裏側に食器用中性洗剤をつける
シミが移ってもよいタオルやハンカチの上にシミの部分を裏返して置き、シミ部分に洗剤を少しずつ垂らして、シミ全体を覆いましょう。
3、歯ブラシを使い優しく叩く
使い古しの歯ブラシなどで、洗剤を付けたシミの部分をトントンと叩いて、下に引いたタオルなどに汚れを移しましょう。
4、水かお湯で洗い流す
シミが薄くなってきたら、水かお湯で洗い流します。水温が高い方が洗浄力は高いのですが、洋服へのダメージは水よりも大きくなってしまいますので、型崩れなどには注意しましょう。
5、普通に洗濯する
あとは、洗濯機に入れて通常コースで洗います。
時間が経ってしまった場合は酸素系漂白剤で汚れを落とす
数時間経過してしまった場合や上記の方法でもまだシミが残っている場合には、酸素系漂白剤を使って漂白をしましょう。ここでは酸素系漂白剤につけ置きする方法を紹介します。
1、まずは上記の方法1~4で汚れを落とす
2、つけ置き液を作る
桶やバケツなどに40~60℃のお湯をはり、酸素系漂白剤をパッケージの記載通りに入れてしっかり溶かします。
3、つけ置きをする
30~60分を目安につけ置きをします。
長時間のつけ置きは生地にダメージを与えてしまいますので、パッケージをよく確認してください。
4、軽くすすいで、普通に洗濯する
あとは、洗濯機に入れて通常コースで洗います。
洗濯機で洗った後は天日干しで仕上げましょう。
どんな洗剤を使っても落ちなかった頑固な黄色いシミは、天日干しするだけで、びっくりするほど消えてしまうのです。ただし、大切に着続けたい服は、クリーニング屋さんに任せることをおすすめします。
天日干しによるシミ抜きはカレーだけでなく、スイカのシミ、ニンジンやカボチャを切って黄色くなったまな板などにも応用が利きますので、ぜひ試してみてくださいね。