自分で撮った写真をスマホ画面で見る分にはそこそこキレイに撮れてて満足してるんですが、拡大してプリントする「あれ?せんぜんキレイじゃないし・・・」と言うような経験ありませんか?
スマホで撮った写真ってスマホ本体で見たりSNSにアップすることはあっても、PCのモニターで確認したり、紙媒体やTシャツにプリントする機会はあまり多くありませんよね。小さな画面で見る分にはキレイでも、大きく拡大して見ると思ったよりキレイじゃないことが多いのも事実。
キレイじゃないと感じる理由は色々ありますが、鮮明じゃないとかザラザラしている場合が割と多いのではないでしょうか。拡大すると現れるザラザラ・・・気になりますよね。このザラザラと深い関係があるのが、今回ご紹介するISO感度と高感度ノイズです。
高感度ノイズは夜景など暗い場所で撮影した際に多く発生しますが、どうすればスマホカメラでも十分満足できるナイトショットを撮れるのでしょうか。今回はISO感度の基礎知識と、夜景撮影のコツなどをご紹介していきます
ISO感度の基礎知識
写真の明るさはF値(絞り値)とシャッタースピードによって決まります。
F値を小さくすればするほど明るくなり、シャッタースピードを速くすればするほど暗くなります。
日中であればこの2つの設定を考えるだけで良いのですが、夜間や暗い場所ではこの2つを調節するだけでは必要な光量を得ることができません。
そこで必要になってくるのがISO感度です。
ISO感度とは
ISO感度は、そのままアイエスオー感度と呼んだり、イソカンなどと言ったりするようですが、このISO感度とは、デジタルカメラが光をとらえる能力を示す数値の事です。
- ISO感度とはレンズから入ってきた光に対するセンサーの感度を表す数値
- ISOの数値が倍になると、光に対する感度も倍になる
- カメラ内部で電気信号を増幅することでISO感度は上がる
つまり、ISO感度を高めると光に対する感度が高まり、暗い場所でも撮影しやすくなるのです。
例えば、太陽光が入らない室内や日陰などの撮影において、十分な光を取り込むためにはシャッタースピードを遅くすることが一つの方法になりますが、シャッタースピードを遅くしすぎると、手ブレの影響を受けやすくなり、失敗写真を量産と言うことになりかねません。そのようなシチュエーションでISO感度を上げてやれば、暗い室内でも手ブレを回避できる速度でシャッターを切ることができるのです。
であればISO感度は高いほどいいじゃん!ということになるのですが、一方でデメリットもあり、ISO感度を上げすぎるとノイズ(ザラつき)が増えるという特性があるのです。このISO感度を上げた際に発生するノイズの事を高感度ノイズと言い、ノイズの量は画素サイズが小さくなればなるほど多くなります。
この点において、フルサイズデジタル一眼に比べて画素サイズが格段に小さいスマホカメラは一般的に不利と言えます。
ISO感度の目安
- ISO:100~400(日中の屋外撮影)
- ISO:400~800(日中の屋内撮影や日陰のスナップ写真)
- ISO:1600~3200(星景写真・夜間の風景撮影)
- ISO:3200~(飛行機など夜間の動体撮影)
上記がISO感度の目安になりますが、スマホの場合は基本的にオートなので、何もしなくても適切なISO値が自動で設定されます。単純に考えるとこれは便利で楽に感じますが、(特に夜間においては)何もしなくてもISO感度が上がりすぎてノイズが大量に発生するということにも繋がります。
次のセクションでは、スマホでISO感度をコントロールするコツについて解説します。
スマホでの室内撮影や夜景撮影のポイント
高機能なカメラアプリやマニュアル撮影モードが使える場合、特にAndroidの端末は標準でもホワイトバランスやシャッタースピード、ISO感度の設定ができるモデルも多いので、「プロ顔負けの高画質なナイトショットを撮りたい」という目的であれば、正しいカメラの知識を身につけた上でマニュアル撮影モードを利用するのがベストです。
しかし、マニュアル撮影モードを完璧に使いこなすのはやはりハードルが高く、そこまでこだわるならデジタル一眼を買うべきと言う意見もあるでしょう。そこで今回はISO感度設定はスマホ任せと言うの前提とし、一つ上のレベルの写真を撮るポイントとテクニックをご紹介します。
ある程度の黒つぶれは仕方ないと割り切る
この画像のように、黒くつぶれている部分が多くても肝心な部分がしっかり撮れていれば素敵な写真に仕上がります。全てを鮮明に撮ろうとするよりも、光と影を意識して撮った方が良い結果につながるケースは多いでのす。
iPhoneでもandroidでも、露出のコントロールは指一本でできるので、この時ISO感度も自動で設定されるという事を覚えておけば、適切な露出の範囲でノイズを最小限にすることは可能なのです。
ノイズだらけの写真になるよりは、いらない部分を切り捨ててメリハリの効いた写真を目指すことがポイントです。
窓から刺す朝の光や、ショーウィンドウから漏れる光を利用する
被写体に光を当てられる場所や時間帯を選ぶこともポイントです。窓から刺す朝の光やショーウィンドウの灯りは、雰囲気のある素敵な写真を撮るのに役立つでしょう。
iPhoneのナイトモードなどの夜景撮影向け機能を使う
iPhoneや一部のAndroid端末には、内部で複数枚の写真を合成しノイズを目立たなくさせる夜景撮影向けの機能があります。暗い場所や夜間では積極的に活用しましょう。
※最新のiPhoneでは、明るさが足りない場所では自動的にナイトモードに切り替わります。
フラッシュを効果的に活用
基本的なことですが、素敵な写真を撮るためには被写体に十分な光を当てることが大切です。例えば、夜景ポートレートでフラッシュを活用すれば、背景の街の明かりと被写体の明るさとのバランスが取れた写真を撮ることが可能です。
いかがでしたでしょうか?
ISO感度については、「これ!」といった最良の設定がなく、撮影シチュエーションによって多彩な選択肢と、その他の設置との組み合わせがあるため、実際の撮影において経験を積み、「こういうシチュエーションならこの設定で撮るのが一番」という知識を積み上げていくのがポイントとなってきます。
まずは見よう見まねで良いので、上記4つのポイントを意識しながら撮影し、ISO感度の違いによって、どのような変化が生じるかを感覚的に把握していくと良いでしょう。