センサーサイズとはイメージセンサーの大きさのことを指します。イメージセンサーとはレンズから入った光を電気信号に変換する半導体の事で、人間の目でいえば網膜に相当する重要なデバイスです。
一般的に、イメージセンサーが大きければ大きいほど画質がよくなります。また、夜間や暗い場所でもノイズを抑えて撮影することが可能になります。
スマートフォンにもイメージセンサーが搭載されているのですが、スマートフォンのセンサーサイズは実際にどのくらいなのか、センサーサイズの違いがどのように影響するのか、詳しく見ていきましょう。
センサーサイズは画質にどう影響するのか
センサーサイズは大きければ大きほど良いというイメージがあると思いますが、実はイメージセンサーの大きさそのものが画質を決定しているのではなく、イメージセンサーに敷き詰められている一つ一つの画素の面積が関係しているのです。
画素の面積が大きくなると、一つ一つの画素が取り込む光の量も増えます。その結果、白飛びや黒つぶれが起きにくくなり、夜間撮影などでのノイズも減ります。つまり、画素の面積が大きくなればなるほど画質が良くなるのです。
以上を踏まえ、センサーサイズと画質の関係を正確に言い表すと、「画素数が同じであればセンサーサイズが大きいほど画質は良い」ということができます。
イメージセンサーのサイズについては規格が決まっており、デジタルカメラに採用されるサイズ規格は主に次の7種類です。
- 中判サイズ:43.8×32.9mm
- フルサイズ:36.0×24.0mm
- APS-C:23.6×15.8mm
- フォーサーズ:17.3×13.0mm
- 1型:13.2×8.8mm
- 1/1.7型:7.6×5.7mm
- 1/2.3型:5.9×4.4mm
コンデジに採用されることの多い1型センサーと比較して、フルサイズは約7.4倍、中判サイズは約12.4倍もの面積があり、画質にも相当な差があることが想像できるでしょう。
できるだけ大きなイメージセンサーを採用すれば画質が向上するのは間違いありませんが、センサーサイズが大きくなるほどカメラのサイズも大きくなるので、スマホに搭載できるイメージセンサーの大きさには限度があります。1型を超えるイメージセンサーをスマホに採用するのは難しいのが現状なのです。
スマホのセンサーサイズについて
スマホのスペック表にはセンサーサイズが記載されていないことも多いですが、詳しく調べればたいていのセンサーサイズは分かります。
主要なスマートフォンのセンサーサイズを表にしましたのでご覧ください。
機種名 | センサーサイズ | 画素数 |
---|---|---|
iPhone12 Pro | 1/2.55型 | 1,200万画素 |
iPhone13 Pro | 1/1.65型 | 1,200万画素 |
iPhone14 Pro | 1/1.31型 | 4,800万画素 ※通常は4つのピクセルを統合して1,200万画素として使用 |
Galaxy S20 | 1/1.76型 | 1,200万画素 |
Galaxy S21 | 1/1.33型 | 1,200万画素 |
Xperia 5 II | 1/1.7型 | 1,220万画素 |
Xperia 5 III | 1/1.7型 | 1,220万画素 |
Google Pixel 5 | 1/2.55型 | 1,220万画素 |
Google Pixel 6 | 1/1.31型 | 5,000万画素 ※通常は4つのピクセルを統合して1,250万画素として使用 |
ご覧の通り、スマホのイメージセンサーは段々と大型化しており、コンデジに迫る勢いです。トータルの性能で言えばコンデジを超えたと言っても過言ではないかもしれません。
この表の中では、iPhone14 ProとGoogle Pixel 6に採用されている1/1.31型のセンサーが一番大きく、iPhone12 ProとGoogle Pixel 5に採用されている1/2.55型のセンサーが一番小さいです。1/1.31型(横9.8mm x 縦7.3mm)は1/2.55型(横5.6mm x 縦4.2mm)の約3倍の面積があり、同じ画素数であれば1画素の面積も3倍となります。
iPhone14 ProとGoogle Pixel 6は、どちらも通常の撮影では4つの画素を1画素として扱う仕様になっており、1画素あたりの取り込む光の量を増やして高画質を実現しています。
せっかく5,000万画素もあるのに4つの画素を一つにまとめるのはもったいないと思われるかもしれませんが、一部分をトリミングするとか、大きな紙に出力する場合などを除き、5,000万画素が必要になるケースはまずありません。フォトTシャツを作る場合でも1,200万画素あれば十分なのです。