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スマホでキレイな写真を撮るための指標「F値」「ダイナミックレンジ」とは?

スマホでキレイな写真を撮るための指標「F値」「ダイナミックレンジ」とは?

Staff B / 2021年4月28日

カメラの性能は「画素数」と「解像度」だけではない!


スマホやSNSの普及によってプロ顔負けの本格的な写真撮影が身近になった昨今において、スマホカメラの性能については男性のみならず女性も気になるところ。


SNSという観点では、特に女性ユーザーの多いInstagramをはじめ、スマホで撮影した写真を積極的にアップする以上、


より精巧で綺麗な写真を取りたい!


というニーズは高まりつつあるのは、もう説明の余地はないでしょう。


でも、「写真って構図がすべてでしょ?」と思われるかもしれませんが、カメラマンでもない一般の人でも写真撮影することが日常となった現代においては、日中でも夜間でも、逆光でも順光でも、


一瞬のチャンスを逃さないで撮影できる


という点に高いニーズがありますので、やはりその点は構図だけでなくカメラの性能に左右される部分も大きいのではないでしょうか?


でも、カメラの性能なんで詳しいことは分からない・・・


そうですよね!


スタッフBだってより詳しいことは分かっていませんが、カメラの性能を推し量るうえでよく聞かれる指標が画素数と解像度。いずれも「数値が大きいほどカメラ性能が高い」という認識は、「合っているようで間違ってもいる」という点を以前の記事「画素数だけではない!? 画質を左右するスマホカメラのスペックについて」でご紹介しておりますが、カメラの性能は画素数だけでは推し量れないんです。

画素数や描写力だけでみればすでにハイスペックの領域に辿り着いているのが昨今のスマホカメラですが、「どのようなシーンでもいかに綺麗に撮れるか?」という観点でみれば、より細かいスペックまで考慮する必要が出てくるのです。

例えば以下のようなニーズは、画素数が高ければ実現できるものではなく、カメラ性能のひとつであるダイナミックレンジやイメージセンサーサイズ、F値といった指標が重要な要素になるのです。


  • 日中の明るい場面でも白飛びしない写真が撮りたい
  • 夜間の暗い場面でも黒潰れしない写真が撮りたい
  • 背景をボカして人物を浮き上がらせるプロ並みの写真が撮りたい


今回の記事では、鮮明なフォトTシャツを作るべく、その素材となる写真を綺麗に撮影するための基礎知識として、スマホカメラ性能を推し量る「F値」と「ダイナミックレンジ」についてご紹介します。


これら指標は、カメラに興味がある方なら常識的なレベルかもしれませんが、いまや一眼レフに拮抗すべく描写力を持ったスマホカメラが一般化しつつある現代においては、カメラにあまり興味がなくても知っておきたい指標のひとつ。


SNSで「いいね」をたくさん押してもらえるためにも、ぜひこの機会に最低限の知識を身につけておきましょう!


カメラマン顔負けの写真を撮りたいなら押さえておくべき「F値」

カメラマン顔負けの写真を撮りたいなら押さえておくべき「F値」

F値(えふち)

 

いきなり聞きなれない言葉が出てきましたが、F値とは別名「絞り値(しぼりち)」とも呼び、簡単に言うと「カメラレンズの明るさを表す数値」です。
絞りを開くとF値は小さくなり、より多くの光を取り込む事ができるようになります。
 
光を多く取り込む事ができるという事は
 

暗所での撮影に強い

 
ということになりますね。
また、シャッター速度を速くする事が出来るため、
 
手振れしにくい
 
という利点もあります。
 
ほとんどのレンズの商品名にはF/2.8のような表記が含まれていますが、これは絞り解放時のF値を指します。
ズームレンズにはF/3.5- 5.8のような表記があるものも多いですが、これは倍率を変更するとF値の下限も変わることを意味しています。


このように、F値の低いレンズを選んだ方が綺麗な写真を撮る事が出来ると言うことになりますが、スマホカメラのスペック表にF値が掲載されているモデルも少ないのが実情です。
気になる方は、「スマホ レンズ f値」のようなワードで検索してみてください。
多くの記事がヒットしますよ〜
 
例えば最新のiPhoneシリーズの背面のメインカメラにおいては


≪iPhone11≫
広角カメラ:F値1.8
超広角カメラ:F値2.4


≪iPhone12≫
広角カメラ:F値1.6
超広角カメラ:F値2.4


といった具合になっています。
F/2.0前後程度のレンズを使用したスマホが多い中、iPhone12のF/1.6と言う数値はすごいですね!
この数値からも、iPhone12のカメラ性能が優れている事が分かります。


上述のように、レンズのF値の値が小さいほど暗所撮影や手振れに強いと言うメリットがあるほか、冒頭でも触れた「背景を綺麗にボカして被写体を浮き上がらせる」写真を撮りやすいと言う利点があるので、表現力の豊かな写真を撮影すると言う目的の方にも、


F値が小さいスマホはおすすめ!


となります。


なお、F値の他に、焦点距離と撮影距離を加えた3つの要素でボケ具合が決まります。
ボケ具合とはすなわちピントの合う範囲の違いのことで、このピントの合う範囲のことを被写界深度と言います。
F値が小さく、焦点距離(レンズからイメージセンサーまでの距離)が遠く、撮影距離(被写体とカメラの間の距離)が近いほど被写界深度は浅く(ボケ量が多く)なります。

 
ならばF値の小さいスマホカメラなら一眼で撮ったような綺麗なポートレートが撮れるのか!?
 
と思いがちですが、実際はそう上手くいきません。
 
綺麗なボケを活かしたポートレートは中望遠(焦点距離85mm)以上で撮影されたものが多く、スマホのカメラにはそこまでの焦点距離のレンズが付いていないと言うのが主な理由です。
小さな物を接写すればレンズのボケをある程度活かした写真を撮ることは可能ですが、人物となるとなかなか難しいのが現状です。
人物にフォーカス
 
ではスマホで人物を綺麗に撮るにはどうすれば・・
 
そんな悩みにお応えするのが、
 

被写界深度エフェクト

 
iPhoneをお持ちの方はポートレートモードを使った事がある方も多いと思いますが、まさにアレが被写界深度エフェクトです。
詳しい説明は割愛しますが、デュアルカメラとニューラルエンジンを使って擬似的なボケを作り出す機能が被写界深度エフェクトです。

 
画期的ですね!
 
最新のiPhoneではかなり自然なボケを演出する事が可能になりました。
Google Pixelなど、iPhone以外でもポートレートモードに対応したandroid端末もあります。

 
機種変更を検討されている方は、是非ポートレートモードを選ぶ基準にしてみてはいかがでしょうか。
 
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写真や動画撮影時の悩みの種「白飛び」はダイナミックレンジの能力次第

写真や動画撮影時の悩みの種「白飛び」はダイナミックレンジの能力次第

スマホカメラの性能を知るうえで、もうひとつの重要な指標となるのが


ダイナミックレンジ


レンジとは電子レンジのレンジではなく(苦笑)、範囲や幅を意味するレンジのことで、「ダイナミックな幅」ということになりますが???、カメラ機能におけるダイナミックレンジとは


カメラが描写できる光の範囲


のことを指しています。


皆さんも恐らく経験したことがあるかと思いますが、例えば日中の陽が差している明るい状況において、白い洋服などが真っ白に写ってしまって洋服と背景の境界が分からない写真になってしまうことがあります。これが俗に言う「白飛び」の状態で、写真のみならず動画などでも頻繁に見られる事象です。これは、


カメラのセンサーが捉えきれる明るさの最大値を越えた


場合に起こる症状で、下図のような状態を指します。


白飛び

それとは逆に、主に夜間など光量が少ない場所などにおいて写真を撮ると、暗い部分が黒く塗りつぶされたような感じになってしまい、キレイに撮影できないという問題が生じます。こちらは逆に「黒潰れ」という事象で、


カメラのセンサーが十分な光量を捉えきれていない


ためにこのような症状が起こります。


黒潰れ

つまり、ダイナミックレンジとは、カメラで描写できる光の最大値と最小値の比率を示した数値であり、dB単位で表記されたり、10000:1ルクスといった明るさの単位のレンジで示されることも多いようです。


特にスマホカメラでの撮影シーンに多いのが、屋内撮影においてピントを合わせる場所によって白飛びしたり黒潰れしたり、はたまた夜間に灯りのついた店舗看板などの撮影しようとすると、白飛びしてしまって看板の文字が見えない、といったことが起こりやすいのですが


スマホカメラはダイナミックレンジの幅が狭い


傾向にあるのは事実。
一眼レフのフルサイズ対応レンズなどと比較すると、スマホカメラでは明暗差が大きい被写体は不向きで、センサーサイズと呼ばれる光をキャッチして画像を作り出すイメージセンサーが大きいものほど、ダイナミックレンジが広くなっています。


センサーサイズについては、また別記事で詳しくご紹介する予定ですが、


じゃ、スマホでは明暗差が大きな写真は撮れないの?


という疑問が生じるかもしれませんがご安心あれ!
すでにご存知の方も多いように、例えばiPhoneでは古くからカメラアプリに


HDR(ハイダイナミックレンジ)機能というものが搭載


されており、逆光時や室内などの暗所でもキレイな写真が自動的に撮れる機能が備わっています。日中における室内撮影のあるある事例ではありますが、


室内撮影


・室外にピントを合わせると室内が黒潰れしてしまう
・室内にピントを合わせると屋外が白飛びしてしまう
・やむなく誰もいない中間にピントを合わせてる


などということがよくあると思いますが、こうした場面で効果を発揮してくれるのがHDR機能です。もちろん、撮影シーンによってHDRが有効となる場合もあれば、HDRを使用しない方が良い場合もありますが、iPhoneの場合


HDR機能で撮影した写真と通常の写真が自動保存される
(設定で解除もできます)


ので、どちらの写真の方が綺麗に撮影できているかを比較することも可能なのです。


これらのように、ダイナミックレンジはその幅が広いほど明暗差が大きい場面での撮影に適していますが、スマホカメラにおいてはダイナミックレンジの幅が相対的に狭い分、それを保管する機能が搭載されていることから、現状では


ダイナミックレンジの幅で性能を左右する


ということにはなっていません。
ダイナミックレンジが広いカメラほど高性能であることは間違いないのですが、現状販売されているスマホカメラにおけるダイナミックレンジ差は極わずかなので、それを保管するHDRなどの機能の充実度で、カメラ機能を判断すると良いでしょう。


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一度きりの人生を思いのまま生きている、飽くなき探究心が原動力のサブカル系アラフォー女子。流行に左右されず、趣味もファッションも独自路線を進み続けているため同世代の友人は少ないもものの、気の合う仲間とハイボールで乾杯するのが何よりの楽しみ。最近は奇岩と巨石にどハマり中!多趣味であるが故の金欠が最大の悩み。