水のエレベーター「扇橋閘門」
みなさん、こんにちは!
スタッフbです。
2023年の東京の夏は、各所で様々な夏のイベントが再開され、コロナ前の盛り上がりが戻りつつあります。
特に4年ぶりの開催となる隅田川や荒川の花火大会においては、みなさんも待望のイベントではないかと思いますが、いつも観覧穴場スポットを探して右往左往・・・、一度でいいから屋形船に乗って川上から花火を見てみたいと思う今日この頃です。
まぁ、そんな観光屋形船もコロナ禍においては壊滅的な状況に追い込まれたという報道もありましたが、そうした背景もあってか、屋形船も色々な観光の使い方をされるようになってきているのはご存じでしたでしょうか?
春のお花見、夏の花火、秋と紅葉観賞などなど、季節に合わせた多彩なクルーズプランが充実しているのはみなさんもご想像のとおりですが、近年、大人の舟遊びとして注目されているのが水門巡り。今回は水門の機能自体を体験することができる大人の社会科見学についてご紹介します。
え、水門の機能を体験するってどういうこと?
と思われる方がほとんどかもしれませんが、
みなさんは「閘門(こうもん)」ってご存じでしょうか?
閘門とは、水位の異なる河川の水位を変えて、船を上下させる「水のエレベーター」的な機能を持った水門のことで、世界的に有名なパナマ運河などがそれに該当しますが、実は都内でも数少ない閘門が東京都江東区に存在するのです。
その名も「扇橋閘門」
巷では、ミニパナマ運河などと呼ばれているそうで、その水門の動作を見ているだけでも胸アツなのに、それを船上から体験できるというのが、屋形船ツアーとして人気を博しているようです。
恐らく多くの方がピンと来ていない
というか、スタッフbも理解が追い付かない・・・
というのが本音かと思いますので、次の章で閘門の機能や必要性について詳しく取り上げたいと思いますが、江東区の公式Youtubeチャンネルにこの扇橋閘門の動作について紹介している動画がありますので、まずはそちらで予備知識を身につけておきましょう。
≪KOTO TIME・扇橋閘門(2020年10月25日)≫
そんなこんなで、今回は都内の魅力的な水門巡りの一環として、水のエレベーター「扇橋閘門」の魅力についてご紹介いたします。
そもそも閘門の仕組みとは?~閘門稼働時の魅力に迫る
そもそも閘門なんて聞き馴染みがないし、漢字も読めないのが実情ですが、「水位の異なる運河や河川同士を接続する水門」という点では、なんとなくイメージができるのかもしれません。
そもそもなんで河川同士の水位が異なるの?
という観点では様々な要因がありますが、扇橋閘門においては江東区一帯が地盤沈下のため、隅田川との水位差が最大で3m近くあるようで、こうした閘門は水路活用には欠かせない機能になってそうです。
都内の閘門は、扇橋閘門のほかに荒川に接続する「荒川ロックゲート」があり、水位の異なる荒川と隅田川、小名木川が接続されています。こうした河川の設備って、妙に緊張感が伴うものですが、閘門は基本的に
誰でも無料で使用・通過することができ
やはりその作動を迫力を体験するには船上からがベストであることは言うまでもなく、強者になると一人乗りカヤックで通航体験に行く人もいるのだとか!
ところで、閘門の機能そのものは理解できたと思いますが
実際にどうやって水位を変化させるの?
という点もまた疑問に感じるところです。
ここはプールじゃないので、そう簡単に水位なんて変えられわけないじゃん!と思うかもしれませんが、これが意外とシンプルな考え方で、東京都建設局「扇橋閘門の仕組み」ページに分かりやすい図が公開されているので、それを見ていただくのが早いかもしれません。
※出典:扇橋閘門 通行要領
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jimusho/chisui/jigyou/suimon/sisetu/ougibashi_drive.html
パナマ運河も基本構造が同じだとすれば、たしかにミニパナマ運河!
逆にパナマ運河なんで、10万トン以上もの豪華客船が通航することを考えると、スケールの違いを改めて感じてしまいますが、それでも一度は体験してみたい舟遊びのひとつと言っても過言ではないでしょう。そして何より
船上から見ることができる閘門稼働時の水位変化は圧巻!
閘門入場から退出までの大まかな流れで言うと
- 大きなゲートで囲われた閘室と呼ばれる水位調整用の収容スペースに入る。
- ゲートが閉まると同時に水位が上下、それに伴い船体も上下する。
- 水位調整が終わると出口側のゲートが開き、そのまま進行できる。
出口ゲートから出た時点では、当然出口側の河川と水位が一緒になっていることから、まさに水のエレベーターと言えるほど、船ごと上がったり・下がったりができるわけですね。
東京都内の水門巡りのなかでも、レア水門と呼べるのがこの扇橋閘門。
東京メトロ半蔵門線・都営新宿線「住吉」駅から徒歩数分というアクセスの良さもあいまって、下町散策の一環として訪れる方も増えているようです。
やっぱり夜・夕暮れがオススメ!扇橋閘門の映えタイムと映えスポット
東京都内の水門巡りツアーとしてご紹介している「扇橋閘門」。
観光屋形船では、墨田川から扇橋閘門がある小名木川(おなぎがわ)と、その先の旧中川を経由することで、次の閘門スポットである「荒川ロックゲート」まで航行することでき、最終的に荒川までを巡るツアーが人気のようです。
まさに「欲張り的に閘門を堪能することができる」のですが、むろん閘門はその動作を楽しむだけではなく、
水門としての魅力も満載
東京都心部の水門の魅力においては、水門そのものの存在感だけでなく、まわりの環境や景色に溶け込んだロケーション全体としての魅力も大きいため、過去記事でもご紹介したように、風景写真としても人気のスポットであると言えます。特に水辺周辺においては
水の反射を活用した幻想的なリフレクションフォト
も狙えるため、普段と違った景色をカメラに収めるのであれば、やはり朝日や夕日が綺麗に見える時間帯を狙うのがポイント。あいにく、扇橋閘門は夜間のライトアップは行っていないのですが、夕方から夜にかけては
進行可否を示す赤・青の信号機が妖艶な雰囲気
を醸し出すので、通航時間となる午後6時までが、フォトロケとしてベストな時間帯であると言えるでしょう(午後6時以降、信号機は赤のままになります)。2021年ごろまでは、護岸の耐震工事の兼ね合いで足場などが組まれておりましたが、いまでは堂々たる水門ゲートと綺麗になった監視所、そして川沿いの遊歩道も綺麗に整備されています。
近隣の方だと散歩コースとしても良さそうな雰囲気ですが、地上からのフォトスポットとしては、扇橋閘門に面する新扇橋上からの撮影がベスト。反対側の小松橋側は、関連設備等でゴチャゴチャしているので、新扇橋側でベストな構図を見つけるようにしましょう。
もちろん、扇橋閘門を一番堪能できるのは、
自身でカヌーやカヤックを操舵して閘門を真下から撮影する
といったことですが、さすがに贅沢すぎるかな・・・
ましてや一人でカヌーやカヤックを漕いで、扇橋閘門までたどり着くことすらできなさそうなので、いつかの目標としておきたいと思いますが、こんな一般の人でも通れる水路があったこと自体驚きですし、ましてや水位が変化するなんて、
東京にはまだまだ知らないアクティビティが多くあるな~
というのが本音ではないでしょうか?
今回は都内の水門巡りの一環として、扇橋閘門や荒川ロックゲートといった閘門をご紹介しましたが、まだまだ魅力的な水門は数多く存在していますので、この大人の社会科見学シリーズでは、引き続き魅惑的なスポットをご紹介していきたいと思います。