希少なデザイン橋梁「東京ゲートブリッジ」
東京には名所とも言える橋が幾つかあり、そのなかでも世界にも例を見ない希少なデザインの長大橋となる「東京ゲートブリッジ」について取り上げていきたいと思います。
普段から車を運転する人なら、ある程度は知っているかもしれませんが、神奈川県から東京都の沿岸部には首都高湾岸線が走っており、その湾岸線もしくはそれに接続する三つの長大橋があります
- 横浜ベイブリッジ
- 鶴見つばさ橋
- レインボーブリッジ
これらの橋が夜間はライトアップされることで、夜景・絶景スポットであったりしている訳ですが、そんな夜景・絶景スポットに仲間入りしたのが、東京都江東区と大田区を結ぶ全長8kmにも及ぶ「東京ゲートブリッジ」なのです。
そんな東京ゲートブリッジは日本を代表するトラス橋の一つ
であり、開通そのものは2012年2月なのである程度の年数は経過しているものの、実はまだ意外と知られていなかったり、通ったことがないという人も多いのです。
その背景には、上記に挙げた3つの長大橋はすべて首都高(一般道もありますが)ですが、
東京ゲートブリッジは一般道のみ
という点で大きな違いがあり、基本的に何かしらの用事がないとなかなか通らないという性質が、認知の妨げになっているのかも・・・、言い換えれば
まだ東京ゲートブリッジの魅力に気づいていない人が多い
ということでもありますので、ブレイクして混雑する前の今がチャンス!ということなのかもしれません。写真映えする風景や構造物って、人で混雑すると魅力半減したりしますもんね!
そんなわけで、今回は東京ゲートブリッジの魅力を余すところなくお伝えしていきます!
夕暮れ・夜間が最も映える~レインボーに代わる絶景景観スポット
ちなみに「長大橋」という言葉は、普段からあまり使うことはないかと思いますが、定義としては橋の長さが100メートル以上ある橋を指し、それ以下は「中小橋」という言葉で区分されるそう。
普段、車を運転しながらこれら長大橋を渡ることはあっても、運転してる人からすれば
景色を楽しんでる余裕なんかないし・・・
というのが本音で、長大橋の多くは景観スポットであったり、夜景スポットになっていることが多いのですが、橋を渡っている側からはあまり良くわからないので、名所としては注目されにくい傾向にあるかもしれません。
そんな長大橋の存在ですが、東京在住の方ならほとんどの人が知っているのが東京都港区芝浦地区と台場地区を結ぶ全長800mの高架橋「レインボーブリッジ」で、東京湾の航路をまたぐため、
その橋げたの高さはなんと52m!
高さがあるぶん、遠く離れた場所からでも橋梁を見ることができるため、東京ベイエリアのベンチマーク的な存在と言っても過言ではないでしょう。また、レインボーブリッジの魅力はその存在感だけでなく、
444個のイルミネーションによるライトアップ
であり、夜景スポットと言われるゆえんがこの光景ではありますが、ライトアップされた橋梁と、それが海に反射して映し出される多彩な輝きはまさに虹の架け橋。レインボーブリッジは、夜景スポットとしてその魅力をおおいに発揮すると言えるでしょう。
一方の東京ゲートブリッジはと言うと・・・
もちろん近年では定番ともなりつつあるライトアップも当然あるので、夜景スポットとしても魅力満載なのですが、夜景比較してしまうとレインボーブリッジだって引けを取りません!敢えて挙げるとすれば
日の出前や日の入り後を狙うのがおすすめ!
東京ゲートブリッジ上の歩道は、一般開放時間が10~17時までとなっているので、橋の上からの景観を楽しみつつ、夕暮れ時には橋のたもとにある若洲海浜公園のサイクリングコースに移動して、
夕焼けと橋梁のコントラストをカメラに収める
というのが「通」の定番コースになっているようです。
マジックアワー(日の出前と日の入り後のオレンジと青色に染まる時間帯)
ブルーアワー(日の出前と日の入り後の濃い青色に染まる時間帯)
また、日の出前や日の入り後だけではなく夜間もおすすめです!
深夜0時を過ぎるとライトアップは終了しますが、照明灯のみになった姿はライトアップされたものとは違ったかっこよさがありますし、モノクロで撮影するとトラス構造の美しさが際立ちます。
夜
深夜0時以降
モノクロで撮影
このように時間帯が違うだけで見せてくれる表情が全く異なるため、一日中のんびりとカメラを構えていたくなるものです。
ちなみにベストロケーションとしてはこの付近
もちろん、橋の光景も素晴らしいのですが、飛行機の光跡とゲートブリッジを一緒に撮影するのも面白いですよ!
こちらは時間露光(露光時間83秒)で撮影したものですが、羽田空港に離着陸する飛行機の光跡とのライトアップされたゲートブリッジのコラボが撮れるんですよ!弧を描いて飛んでいる飛行機の光跡は、とても美しく、そして幻想的です。
また、スタッフb的には橋上から見る
羽田空港に着陸する飛行機が橋の真上を通過する光景が素晴らしい!
飛行機はひっきりなしに来るので、それを見ているだけでもあっという間に時間が過ぎてしまいますし、若洲海浜公園があることも含め、大人も子供も存分に楽しめるでしょう。
長大橋でも一般道!ジョグ&ウォークで空中回廊を堪能しよう
これまでもご紹介したように、東京ゲートブリッジは一般道となるため歩道が併設されている点がレインボーブリッジなどとは異なる点で、レインボーブリッジなども一般道はありますが、2階建て構造になっており、高速道路が上・一般道が下という点では、
徒歩ではその眺望や開放感が半減してしまう
というのが実情。
その点、東京ゲートブリッジは車道脇に安全策に囲まれた歩道がありますので、橋上からの景色を存分に満喫することができます。さらに言えば、レインボーブリッジの周辺には、タワマンなどの構造物がたくさんあるので、ある意味東京の象徴的な景色ではありますが、
東京ゲートブリッジ周辺は見渡す限り海
という突き抜ける開放感を味わうことができる点も魅力のひとつと言えるでしょう。
レインボーブリッジ周辺に数多く建つタワマンを見ていると
こんなとこに住んでみたいな~
どんなセレブが住んでるのかな~
うらやましいな~
なんていう雑念を抱いてしまうのですが(単に嫉妬w)、東京ゲートブリッジの橋上からの景色を眺めるだけで心が洗われる・・・というのも決して大げさな話ではないのです。あと、意外と知られていないポイントのひとつに
富士山が見える
という点も覚えておくと良いでしょう。
天気が良ければゲートブリッジ越しに沈む夕陽と富士山が見えますし、
年に2回、ダイヤモンド富士(富士山頂に夕陽が重なる)
を見ることもできるんです!
東京ゲートブリッジとダイヤモンド富士を観測できるのは、例年2月と10月の中旬辺りとされていますが、この幻想的な風景は一度見たら決して忘れることはないほどの感動です。
なお、東京ゲートブリッジの歩道は、散歩コースとしても最高のロケーションです!
どちらかというと遊歩道的な感じで、橋の反対側に渡ることができないため、途中で折り返して元の場所に戻る必要がありますが、最近では若洲海浜公園のウォーキングのついでに
東京ゲートブリッジを往復する
というコース設定をされる方も多いようですし、ブリッジランニングと称した
海に掛かる大きな橋を渡るのを目的としたジョギング
も注目され、その対象に東京ゲートブリッジの人気が高まっているようです。
(ブリッジランニングで有名なのは、宮古島の伊良部大橋ですね!)
このように、単に「人や車が通る橋」という橋の価値観の多様性によって、橋を楽しむ人が増えつつあり、さらにその楽しみ方には「歩く・走る・撮る・眺める」などといった様々な視点での楽しみ方が生まれつつあるのです。
・実際に行ってみてどのように感じるか?
・どんな光景に心を奪われるか?
それを見つけに行くだけでも、ちょっとしたアクティビティになると思いますので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?