水門って知ってる?探求心をくすぐる河川の守護神
関東地方も梅雨入りで、例年このムシムシとした湿度のせいでテンションはダダさがりですが、梅雨が明ければ夏本番ですからね!早くも夏休みのバカンスのことで頭がいっぱい・・・というのは、ここだけのお話にしておいてください(笑)
さて、今回のお話ですが、梅雨時期から夏の季節になると何かとニュースになる「水害」
先日も台風2号の影響で、各地で浸水の被害などが報じられていましたが、大雨になるとやはり気がかりなのが川の氾濫ですよね。
スタッフbの住まいも近くに川があるので、ライブカメラなどで水位を気にしてチェックしたりもします。
あっ、くれぐれも大雨時は直接見に行っちゃダメですよ!
まぁ、それはさておき、日本は多雨多湿な気候であり、洪水土砂災害の多い国であることはご承知のとおりですが、一方で治水網もかなり整備されており、台風などがもたらす大雨においても、大洪水を引き起こすようなことはほとんどありません。
日頃から、河川に対して様々な氾濫対策が行われている訳ですね。
氾濫対策というのは、堤防を高くしたり、川の断面を大きくして水の流れる絶対量を増やしたり、遊水池を設けて洪水を一時的に溜められるようにしたりと、様々な取り組みが行われている訳ですが、そんな河川の守護神とも言えるのが「水門」。
大門なら知ってるけど水門ってなに?
っと言う方は少数派かもしれませんが、水門って一般の人からしてみれば生活にほとんど関わりがなく、存在自体は知ってても、どういう役割があるのか、どういう時に開いて、そして閉じるのか?など、ほとんど知識がないというのが実情でしょう!
そういうスタッフbもまったく無知・・・
大きな水門もあれば、小さな水門もあったりと、基本的には川の水の流れる量をコントロールしているのかな?程度の認識かもしれませんし、船舶の往来に応じて開いたり閉じたり、仕事などで携わる人以外は、あまり関心がないかもしれませんが、
実は最近この水門が注目されている!
ことはご存じでしょうか?
水門の役割は機能も当然重要なのですが、実は東京の観光名所としての存在感が高まりつつあるのです。ひと昔前では、東京湾に面する工場地帯が観光名所となり、特に船から見る工場の夜景だったり、新名所となった東京ゲートブリッジなど、その人気は外国人観光客だけに留まらないのです。
先日取り上げました「かなりマニアック?!高速道路ジャンクションと橋梁の魅力」でもご紹介しましたが、
現代社会では価値観の多様化
が進んでおり、これまで注目されなかった様々なものが注目される時代になってきた!
と偉そうなことを言ってみましたがw、今回は高速道路のジャンクションにも負けずとも劣らない「東京都内の水門の魅力」をテーマに、その魅力とカメラに収める際のポイントなどをご紹介していきます。
大人の社会科見学としてツアーが組まれるほど人気の「都内水門巡り」
さて、前置きが長くなりましたが、実際に水門の魅力について見ていきましょう。
冒頭でお伝えした工場見学もそうですが、こうした業務に携わらない限り普段目にすることができないスポットを巡るツアーや行動を「大人の社会科見学」と呼ぶようで、すでに大人のアクティビティとして幅広く認知、人気を得ています。
ただ、大人の社会科見学の多くは一般企業の工場などを見学するため、金銭的な部分や一定の制限があるのに対し、
水門巡りはあくまで自由行動
もちろん、立ち入り禁止箇所に勝手に入ったりするのはご法度ですが、水門自体の存在感やそのロケーションを楽しんだり、時には水門の開閉が行われるタイミングで、その変化を楽しんだりと
実際に水門を見てみてどのように感じるか?
という感受性を楽しむのがポイントと言えます。
スタッフbも、実際に近所にある隅田川の支流となる亀島川上流の日本橋水門に行ってみました。
全体的なロケーションを考慮しても、絶景スポットとまでは言えないかもしれませんが、
驚くことに「Googleのクチコミ」は4.2点!
水門のクチコミが投稿できること自体サプライズですが(笑)、やはり水門巡りの魅力を堪能されている方が意外と多いという点も納得。
さらに、もう少し下流の方に歩いていくと亀島川水門という水門もあり、そこは隅田川テラスと呼ばれる川沿いの遊歩道から真横に水門を見ることができるので、なかなかの未体験な迫力を堪能できる身近なスポットと言えます。
ちなみに東京都における水門は、その多くが東京湾につながる河口付近に集中しているので、中央区や港区・江東区などに多く存在(※)し、各区で管轄事務所が異なります。特に中央区周辺は、魅力的な水門も数多く存在しますので、自らでコース設定すれば充実した水門巡りツアーが組めるかもしれません。
※出典
東京都港湾局「水門・排水機場等の紹介」
https://www.kouwan.metro.tokyo.lg.jp/yakuwari/takashio/shisetsu/suimon/
江東治水事務所「水門・排水機場の所在地」
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jimusho/chisui/jigyou/suimon/suimon_address.html
また、水門の付近には橋がつきもので、その様々な形をした
橋梁の形状や周辺の景色に溶け込んだ佇まい
を写真に収める人も多く、休日ともなると一眼レフカメラを抱えた写真好きな方もチラホラっといった感じです。
スタッフbの視点では、水門そのものの存在感より、「まわりの風景とのマッチングを味わう」という点に風情を感じますが、楽しみ方はひとそれぞれ。タイミングよく水門の開閉が見れたらラッキーかもしれませんね。
水門の魅力は威風堂々たる存在感と周辺の自然とのコントラスト
なお、これまでお伝えした隅田川の日本橋水門や亀島川水門は、都内ならではのオフィスビルや高層マンションとのショットを楽しめるスポットですが、自然とのコントラストを楽しむなら荒川がオススメです。
中でも、川を渡れば埼玉県川口市といった東京都の境目にある、荒川と隅田川を仕切る大役を担う岩淵水門。ここには新旧2つの水門、赤水門と呼ばれる旧岩淵水門と青水門と呼ばれる岩淵水門があり、旧岩淵水門は1982年に役目を終え、青水門と呼ばれる岩淵水門が引き継いでいます。
そんな旧岩淵水門は、大正時代に氾濫を繰り返した荒川の治水を目的に当時の先進的な技術を用いて作られ、現在ではこのエリアのランドマーク的存在。経済産業省が認定している近代化産業遺産になっていることに納得できしまうほど、青空バックに写すととてもキレイに映えるんです。
関東大震災でもびくともしなかったとも言われているほどとても立派で、水門のすぐ横の石橋から間近で見れば、威風堂々たる存在感に誰もが驚くはず!
そして、現在の隅田川の番人である岩淵水門は、旧岩淵水門と比較すると現代的で多少見ごたえは劣りますが、水門の多いこの辺りでも大きいため、その迫力には圧倒される人も多いでしょう。
なお、この辺りは川も土手も全てが人工物でありながらも自然豊かなエリアになっていて、春はお花見、夏はバーベキューといったように四季折々の楽しみ方はもちろん、釣りやロードバイクなども楽しめるスポットとなっています。お花見シーズンには旧岩淵水門と新岩淵水門がライトアップされるので、ぜひお見逃しなく。
川の氾濫を抑える英雄として、私たちの暮らしを守る最後の砦「水門」。
設計・製造した技術者を尊敬し、水門が降りるときには防災への祈りをささげましょう。