お気に入りの衣類が毛玉だらけ?!毛玉ができる原因とは
気が付けば、お気に入りのニットが毛玉だらけ…。
ウールのニットなどは「毛玉ができてしまうもの…」と割り切っている人も少なくありませんが、お気に入りのアイテムはヘビロテしがちなので、他の衣類に比べて毛玉ができやすいかと思います。毛玉ができるのは仕方ないにしても、毛玉のついた服をそのまま着続けるのはNG。
というもの、肌触りなどの風合いは損ねてしまっていますし、何よりも
毛玉だらけの衣類は見栄えが悪いのです。
そのため、どんなに素敵なコーディネートでも毛玉だらけのアイテムがひとつあるだけで、清潔感は損なわれてしまうので、日頃から衣類の状態に気を配り、できてしまった毛玉のケアをしてあげることが大切。
そもそも、衣類に毛玉ができるのは
主に摩擦が原因。
着用時や洗濯時に生地の表面がこすれ合うことで静電気が発生し、繊維の先端が毛羽立ちます。そして、その毛羽が束を作り絡み合って「毛玉」ができてしまうのです。
このように、できてしまった毛玉は毛玉取り機などで取ったり、できないように防ぐ対策をする必要がありますが、衣類によって毛玉ができるものもあれば、全くできないものもあり、一体何が違うの?と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、衣類の繊維の違いと毛玉の予防対策と正しい取り方についてお伝えします。毛玉ができてしまったら「捨て時」とも言われますが、地球環境に配慮するように、使えるものを捨ててしまう「衣類ロスを減らす」心がけをしてみてはいかがでしょうか。
混紡繊維は毛玉ができやすい?!毛玉ができやすい素材について
毛玉ができる衣類といえばコートやセーターなどの寒い季節のアイテムが多いのですが、オールシーズン活躍しているTシャツやスウェット、靴下など、あらゆる衣類にできてしまうもの。
冒頭では衣類の摩擦が毛玉の原因とお伝えしましたが、実はこれ、衣類の繊維が大きく関係しているのです。
毛玉になりにくい繊維
生地にもよりますが、綿(コットン)、麻(リネン)、絹(シルク)、ポリエステルは毛玉になりにくいと言われています。
毛玉になりやすい繊維
ウールやカシミヤなどの動物由来の天然繊維、アクリルなどの化学繊維、T/C(綿とポリエステルを混ぜた繊維)などの混紡繊維は毛玉になりやすいです。
どんな素材でも100%毛玉が出来ないものはありませんが、このように毛玉ができやすい繊維とできにくい繊維があるのです。
これらの違いは
- 糸を作る繊維の長さ
- 繊維の抜けやすいさ
- 静電気の起きにくさ
などが影響しており、綿であれば繊維の長さが短いために絡まりにくく、繊維が抜けてもそのまま下に落ちるので、毛玉ができにくいのです。
対して、アクリルなどの化学繊維は繊維の長さが長いために絡まりやすく、そもそも繊維が落ちにくいので毛玉になりやすいのです。水分を保持していないために静電気が起こりやすいのも関係しているのでしょう。
また、短繊維の「綿」と長繊維の「ポリエステル」を混ぜて織った
T/C素材などの混紡繊維はさらに毛玉ができやすいのです。
というもの、短繊維である綿は自然に抜け落ちることが多いですが、抜けた綿繊維が長繊維であるポリエステルに絡まり、毛玉となってくっつき続けてしまうのです。そのため、綿100%であれば毛玉ができにくいのに、混紡繊維になったことで毛玉ができやすくなってしまっているのです。
なお、「ポリエステルは毛玉ができやすい」としている記事をよく見かけますが、実際は異なります。
先ほどお伝えしたT/C素材もしかり、ポリエステルは混紡繊維に良く使われることから毛玉になりやすいと言う認識が広まっているのかもしれませんが、
毛玉ができてしまうニットもあれば、ハードに使用しても全く毛玉ができないTシャツがあったりする
ので、一概に「ポリエステルは毛玉ができやすい」とは言えないのです。
生地を傷めない毛玉の正しい取り方・予防方法
しかしながら、できてしまった毛玉を取ればキレイに復活するものですし、できないように心がけることも大切です。ここでは生地を傷めずに毛玉を取れる方法と毛玉を防ぐ方法をお伝えします。
毛玉の取り方
毛玉取り器で除去
もっとも便利なのが電動タイプの毛玉取り器。100円ショップなどでも手に入るアイテムですが、生地を保護するリングがついているものがおすすめです。
毛玉を取りたい箇所に毛玉取り器をあて、毛玉取り器をクルクルと回すよう優しく動かすことでキレイに毛玉が取れます。強く押し当てたり、毛玉を引っ張ったりすると衣類にダメージを与えてしまうので気をつけましょう。
毛玉取りブラシで除去
電動タイプに比べて、生地を傷めず毛玉を取ることができます。繊維をカットしすぎないので、デリケートな衣類も安心して使えます。主に馬毛や豚毛の2種類があり、馬毛は柔らかいのでウールやカシミヤなどのデリケートな素材向きとなり、衣類の生地にあった毛の種類を選ぶのが理想的です。
毛玉取りブラシの使い方は、アイロン台などの平らな場所に衣類を置き、ブラシに毛玉を引っ掛けるように一定方向にブラッシングします。ランダムな方向にブラッシングすると、かえって毛玉を増やしてしまいますので注意しましょう。
ハサミで除去
ざっくりと編んだニットや大きな毛玉が一箇所に集中している場合などはハサミでカットするのが適しています。誤って衣服をカットしてしまわないように、ハサミは衣類と平行に沿わせ、表面をカットします。細かな部分は糸切バサミを使って仕上げるといいでしょう。
食器用スポンジで除去
意外に使えるのが食器用スポンジのザラザラした部分。
表面に小さな穴がたくさん開いているため、そこに毛玉をからめてそぎ取るというもの。
アイロン台などの平らな場所に衣類を置き、毛玉の箇所を食器用スポンジのザラザラ面でそっと優しくなでるだけ。短時間であっという間に取れますが、力を入れすぎてしまったり、同じ部分を何度もこすると繊維を毛羽立ててしまうこともあるので気をつけましょう。
毛玉を予防する方法
着用後にブラシで整える
着用後は重ね着やバッグの着用などの摩擦で繊維は乱れてしまいますので、洋服用ブラシでブラッシングして毛並みを整えましょう。ホコリやチリなどの汚れも払い落とし、静電気も除去してくれるので、毛玉ができにくくなります。
同じ服を毎日着ない
お気に入りの衣類はヘビロテしがちですが、連続で着用することで多くの摩擦が生じてしまい毛玉ができやすくなります。1回着用したら日にちを空けるようにして、衣類を休ませてあげましょう。
自分に合ったサイズを着る
フィットし過ぎるものやオーバーサイズのものはどうしても摩擦が生じがち。小さすぎても大きすぎても毛玉ができる可能性が高くなりますので、身体に合ったサイズを選ぶようにしましょう。
静電気防止スプレーを使う
毛玉の原因には静電気が大きく関係しています。
そのため、静電気を防止することにより毛玉を防ぐ対策のひとつになります。
洗濯時は洗濯ネットに入れる
服を裏返して洗濯ネットに入れることで、洗濯時の摩擦を抑えることができます。
洗濯ネットの大きさは、大きすぎてしまうとネットの中で擦れてしまうので、衣類のサイズに合ったものや少し小さめがおすすめです。また、洗濯コースは水流や脱水の加減が弱く設定されている「ドライコース」を選択しましょう。
洗濯洗剤はおしゃれ着用洗剤や柔軟剤を使う
洗濯洗剤はウールやシルクなどのデリケートな衣類やレースなど型くずれを防ぎたい衣類をやさしく洗い上げる「おしゃれ着用洗剤」や「柔軟剤」を使用しましょう。
おしゃれ着洗剤にはシリコンや柔軟化剤など繊維のすべりをよくする成分が入っているため毛玉防止に繋がります。柔軟剤には陽イオン系界面活性剤が入っており、繊維の表面に電気を外に流す性質を持つことから、静電気が発生しても放電してくれるのです。
いかがでしたか。
お気に入りの衣類に毛玉がついてしまうとガッカリしてしまいますが、購入時に素材を確認したり、日頃から毛玉を防ぐケアを心がけるといいでしょう。なお、大きな毛玉を見つけると思わず手でむしり取りたくなりますが、衣類に大きなダメージを与えてしまうので絶対に避けてくださいね。