多くのTシャツの主な素材である「コットン」生産に欠かせない綿花栽培
こんにちは!スタッフbです。
すっかりと陽気も秋めいて過ごしやすくなり、これから紅葉を楽しんだり山へキャンプに行ったりと、寒くなる前に色々と出かけたくなる季節です。スタッフbは季節関係なく出かけたい派ですけどね・・・
2021年10月の執筆現在、緊急事態宣言も解除されたものの、まだまだコロナ禍である以上は、引続き感染予防対策はしっかりと行いたいところ。今回のコロナウィルスの感染拡大防止においては世界的な緊急課題であり、多少なりとも落ち着きを取り戻してはいますが、今後も一丸となって取り組まなければならない試練ではないでしょうか?
それはさておき、最近は何かと世界的な環境保全の取り組みが話題となっております。
脱炭素を標榜する「カーボンニュートラル」をはじめ、地球環境保護の観点から、様々な業種で多彩な取り組みが行われているところではあります。
まぁ、皆さんも電気自動車などはよく耳にするかと思いますので、排気ガスCO2の排出量を減らせば、地球温暖化を抑止する要因になることはご存じかと思いますが、実はTシャツ業界にも世界的に問題となっており、今すぐ取り組むべく改善課題があるのです。
それがサステナブル・コットン
サステナブル・コットンって、あまり聞いたことがないかもしれませんが、
直訳すると「持続可能な綿花」・・・
ん?、どういうこと???
と思われる方がほとんどだと思いますが、上記ではTシャツ業界と言いましたが、実際にはアパレル全般が直面する世界的課題であり、衣類の主な素材である「綿(コットン)」を生産する綿花栽培・生産農家に対する
・環境面での問題
・労働面での問題
・収益性の問題 など
これら様々な問題と、改善なくして将来的に綿生産の継続が困難になりつつあるという課題を元に、持続可能な綿生産のスキームを改善しようという取り組みがサステナブル・コットンなのです。サステナブル・コットンの詳細は、別記事(サステナブル・コットン(#3)で取り上げる予定ですが、綿花生産においては、
環境汚染や労働環境、人権問題など様々な課題を抱えているのが現実
多くのTシャツの主な素材である「コットン」生産に欠かせない綿花栽培においては、中国やインド、パキスタンやウズベキスタンなどが主な産地となりますが、綿花農家における低所得の問題や一部では強制労働などの人権問題も存在しているとか、いないとか・・・
今回は、そんなTシャツの命とも言える綿(コットン)が作られる課程を知るうえで、綿花の生産者が抱える問題のひとつ「環境問題」についてフォーカスし、サステナブル・コットンを実現するための課題について掘り下げて見ていきましょう!
農作物のなかでも最も水源を汚染しやすいのが綿花栽培
肌触りが良く、肌着や下着の素材として多く用いられている「綿」
コットン100%とか、オーガニックコットンだとか、コットンと聞くだけで良質な素材というイメージがありますが、そのコットンがどのように生産されているかを詳しく知っている人は意外と少ない傾向にあります。
綿って、あの白いワタでしょ?!
というくらいは皆さんもご存じだと思いますが、「木綿(もめん)」とも呼ばれる白い綿毛がコットンの原料で、アメリカや中国などが主な産地となります。皆さんも普段からお使いになっている肌着はもちろん、バスタオルなど肌に触れるものは基本的に綿製品が多く、
多くの人の生活になくてはならない存在
となりつつあります。
ただし、綿栽培においては一部のオーガニックコットンを除いては、その生産に多くの農薬や化学肥料が使用されているほか、その大量に使用される農薬や化学肥料によって
土壌と水源が著しく汚染されてしまう
という問題が指摘されています。
下図は、「水環境への負荷が極めて高い地域で栽培されている主要な農作物の割合」を示した棒グラフで、小麦やトウモロコシといった穀物類を遥かに凌いで、ダントツで水質の汚染や低下の要因となっていることが分かります。
これにより、綿花農家で働く生産者の健康を損ねたり、そもそも土壌が汚染されて綿花が育たなくなったりと、様々な悪影響を及ぼしているのが実情。このままでは、
・綿花農家の数が減って安定的にコットンを提供できなくなる
・土壌汚染から綿自体の品質が低下する
・収穫が減ることで農家の所得が減少する
こうしたことを背景に、綿花栽培自体が脅威にさらされていると言っても過言ではないのです。綿花農家さんが一斉に綿栽培をやめてしまったらと考えると・・・、どれだけたいへんなことなのかは、容易に想像できるところだと思います。
これらの問題を受け、農家が安定的に綿花を生産でき、収入を得られること。そして、水質や土壌等を汚染せずに地球環境に優しい綿花生産を継続できることなどを課題として提起したのがサステナブル・コットンなのです。
Tシャツもサステナブル・コットンの比率を高めることが今後の課題
サステナブル・コットンが掲げる環境面での課題・目標としては
1、石油系化学肥料の使用量削減
2、水使用量の削減
3、水質汚染や土壌汚染の抑制
4、これらを実現しつつ生産量の増加
などが挙げられ、当然化学肥料や水の使用量が減れば生産者のコスト負担も軽減になるほか、生産量が増えれば生産者と労働者への所得が増え、格差や貧困の回避にもつながるようになるはずです。
現在、世界的にも綿栽培における自然環境への悪影響を回避すべく、持続可能な綿生産の取り組みが広がりつつあり、地球環境が配慮されて生産された綿製品自体を「サステナブル・コットン」と呼ぶようになっております。オーガニックコットンなどのように、
綿素材のひとつとしてのサステナブル・コットン
といった位置づけになりつつあり、Tシャツ業界においても同様に今後はサステナブル・コットンを採用した製品が多くプロダクトされていく流れになるかもしれません。上記でもご紹介したように、サステナブル・コットン製品においては、
・綿花生産における水質・水量
・綿栽培における農薬・化学肥料の量
・染色時の排水処理の方法
などが検査され、それら条件を満たした製品がサステナブル・コットンとして扱われることになります。もちろんサステナブル・コットンと言えど、
従来の綿製品との品質的な違いはほとんどない
ことだったり、オーガニックコットンのような高価なものではなく
安定した価格で提供できること
など、幾つかの課題は残されつつありますが、「サステナブル・コットンを使用していく」という世界共通の目標が出来つつあるのは事実。この先何年、何十年と綿の生産と提供、市場需要を維持するためにも「サステナブル・コットン」の実施が、とても重要だということは理解できたのではないでしょうか?
Tplantでもできる限り、サステナブル・コットンを採用したプロダクトをラインナップしていく予定です。