冬の災害・停電に備えておくべきものとは?
日に日に冷え込みが増してきましたが、みなさんは季節に合わせて防災バッグの中身を確認していますか?
子供のいる家庭の場合には子供の成長に合わせて必需品が変わってきますので防災バッグの中身を随時見直しているかもしれませんが、防災バッグは一度揃えてしまうとそのまま保管されている場合も少なくありません…。
ですが、飲料水などの消費期限や乾電池の使用期限などのチェックはもちろんのこと、
冬の季節には「寒さ」への備えに防寒グッズが必要となります。
阪神・淡路大震災は1月、東日本大震災は3月というように、過去に発生した大地震では雪の降る寒い季節に発生しました。たとえ自宅での避難が可能でも、大規模な災害や停電が発生すると電気やガスなどのライフラインが止まってしまい、エアコンや電気ストーブ、床暖房やオイルヒーターなどの
電気で動く暖房器具が使用できなくなるのです。
室内にいても寒さが続けば体温は低下し、体力が削られます。免疫力も低下するために風邪や感染症などにかかりやすく、重症化する可能性もありますし、低体温症や凍傷などで凍死するリスクもあるので、電源不要で点火できる石油ストーブやガスストーブなどの暖房機器を用意しておくことも必要ですが、
電気を使わない防寒グッズを防災バッグに入れておく
ことをオススメします。
そこでこの記事では、冬の災害に備える防寒グッズのご紹介と体を温める工夫についてお伝えします。天災はいつ起きてもおかしくないもの。ライフラインが止まっても生活できるように、普段から防災グッズを備蓄しておくことが大事です。
防災バッグに入れておくべき防寒グッズ一覧
寒い季節の災害に備えるべき、おすすめの防寒グッズをご紹介します。地震などの自然災害や電力インフラによる停電などにより電気が止まると、暖房器具は使用できず、健康に悪影響及ぼします。
また、体育館や公民館など避難場所では床は冷たく気温が下がりやすいため寒さ対策が必須となりますので、避難時には防寒着を着用し、帽子、マフラー、手袋などの防寒アイテムも身につけ、下記のアイテムを必ず持参しましょう。
今回紹介する季節用品の防寒グッズは「季節袋」として、個別にまとめておくと便利です。
使い捨てカイロ
封を開けるだけで暖が取れる使い捨てカイロは防災バッグの必需品です。部屋を暖めることはできませんが、長時間にわたって温かい熱を発するので暖房器具代わりに寒さを軽減してくれます。
持続時間は大きさにより異なりますが、10時間前後のものを1日2枚使うことを考えると、3日分で1人あたり6枚程度を防災バッグに入れておくと安心です。真冬なら防災バッグだけでなく、普段使用しているバッグにも1枚は入れておきたいものですね。
エマージェンシーシート(保温アルミブランケット)
エマージェンシーシートとは毛布や布団などの代わりとして使用できる防風・防水・防寒用のシートです。体を包めば体温を逃がすことなく、温かさを維持してくれる優れもの。
極薄素材で作られているためとても軽量でコンパクトなので、人数分用意しましょう。
吸湿発熱のインナーウェア
ユニクロの「ヒートテック」やベルメゾンの「Hotcott」などの吸湿発熱機能のインナーがおすすめ。女性であればカップ付きインナーだと下着とインナーが兼用できて荷物の削減になります。また、トップスだけでなくレギンスやスパッツ、腹巻などを用意しておくと、床からの冷えを軽減することができるでしょう。
厚手の靴下
体育館などの広い場所に避難するのであれば、床は冷えやすく、暖房は効いていないことが考えられます。特に手足は冷えやすいため、スキー用などの厚手の靴下で足先をしっかりとガードしましょう。なお、くるぶし丈ではなく足首まで隠れる長さのものを選んでください。
ルームシューズ・上履き
忘れがちなのが、ルームシューズや上履きなどの履物。避難所内は土足厳禁の場合が多いため、靴を履き替えられるようにしましょう。体育館などは冷え込みが厳しいので、スリッパよりも厚手のルームシューズや上履きなどが好ましいでしょう。
意外にかさばるので、防災バッグに入らなければ玄関にまとめて袋に入れておき、いざという時に持ち出せるように準備しておきましょう。
コンパクトに収納できるダウンアイテム
避難時には防寒着を着用するかと思いますが、防災バッグに入れておきたいのがコンパクトに収納できるダウンアイテム。ジャケットやベストはアウターの下に着ることができますし、マルチブランケットは肩に巻き付けてポンチョのように着用したり、スカートの様に腰に巻いたりして冷えを軽減してくれるでしょう。
覚えておこう!身体を温める寒さ対策
寒い時期の避難は心身ともに大きな負担となります。
寒さ対策として衣類の着方としては、重ね着をし、衿元や袖口、裾などは閉じて体表面の暖かい空気を逃さないようにすることがポイントです。
ダウンジャケットや中綿ジャケットなどの着用はもちろんのこと、タオルケットや毛布などで体を包んだり、
新聞紙やエアキャップを衣類の間に挟んだりすることで保温性を高めることができます。
また、注意しなければならないのが着衣の濡れ。
雨や雪などで衣類が濡れてしまうと低体温症への注意が必要です。
濡れた衣類は体温を奪いますし、体力の消耗も早めてしまいます。また、濡れた衣類の上に保温性の高いものを重ねても体は温まりません。移動時や作業時などに雨水や汗などで衣類が濡れてしまった場合には、必ず乾いている衣類に着替えるように心がけましょう。
なお、使い捨てカイロやエマージェンシーシートは使い方を工夫することで、その効果を高めることができるので下記を参考にしてみてくださいね。
使い捨てカイロの貼る場所による効果的な使い方
首の後ろ:太い血管があるため、首を温めることで全身が温まります。
背中の肩甲骨と肩甲骨の間のあたり:上半身が温まります。寒さで体が縮こまってしまった時にはここに貼りましょう。
お腹:おへそよりも指2本分くらい下の「気海(きかい)」というツボを温めることで全身を温めてくれます。
腰・お尻:冷えにより腰が重たくなっている場合には、おへその真裏がおすすめです。ここには「命門(めいもん)」というツボと、指2本分外側には「腎兪(じんゆ)」というツボがありますので、横に1枚貼ることで腰全体を温めることができます。
足首:足用には靴の中に入れるタイプなどもありますが、足首を温めることで指先やつま先などの冷えやすい末端も温まってきます。
エマージェンシーシートの効果的な使い方
体温を保つとしてアイテムとして防災グッズには欠かせないものですが、実は使い方次第では体温効果を発揮できない場合があるのです。
というのも、エマージェンシーシートそのものは暖かい素材ではありません。断熱性があるために、体から発せられる熱を反射し、その中を暖かい状態に保つことができる仕組みとなっているため、体をきっちり包みこまなければ保温効果は得られにくいのです。
ですので、毛布のように掛けたり、ストールのように羽織ったりしても温まることは難しく、
銀面を内側にして体に巻き付けることで効果を発揮します。
そのため、エマージェンシーシートを寝具として備えるのならば、寝袋タイプがおすすめです。また、ビニールとアルミでできているため、使用時はカサカサと音が発生しますので、音が控えられた静音タイプが良いでしょう。
いかがでしたか。
冬場に災害が発生した場合、避難時にこたえるのが寒さです。今回は防災バッグに備えたいおすすめの防寒グッズを紹介しましたが、ハンドクリームなどの保湿剤も必要な人も多いかと思いますので、自分にとって必要なものを備えておきましょう。