Tシャツの魅力は、なんといっても、細かいことは気にせず、洗いざらしでラフに着こなすこと!と言いつつも、思い入れのあるTシャツや二度と手に入らないレアなTシャツなどは大切に扱いたいのが本音。
たとえば、クラスTシャツなどの思い出の詰まったオリジナルTシャツを作り直すことは簡単ではないですし、バンドTシャツであれば、AC/DC、Metalica、NIRVANA、GREEN DAYなどの超メジャーなバンドのTシャツは今でも正規品がいっぱい流通しているものの、2000年以前のものやマニアックなツアーTシャツ、さらにはマイナーなバンドのTシャツなどは手にいれるのが難しいのが実状…。
また、今は普通に手に入るTシャツでも、数年、数十年経てば超レアになるTシャツはいっぱいあるため、「もっと大切に扱っておけば良かった…」と思った経験をお持ちの人も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、そんなTシャツを愛する人々に向けて、プリントTシャツを大切に扱うための洗濯方法についてお伝えします。
Tシャツの洗濯表示タグをチェックせずに洗濯機でほかの衣類と一緒に洗濯している人が多いかと思いますが、洗濯マークは全く同じであっても、「同系色で洗ってください。」や「蛍光増白剤を使用しないでください。」などの注意書きに違いがあるものも多いので、はじめて洗濯する際には必ず洗濯表示タグをチェックする習慣を身につけましょう。
洗濯表示をチェック!洗濯マークの意味を知る
Tシャツの首の後ろ部分か左腰にある洗濯表示タグ。
「洗濯ネーム」や「品質表示ラベル」とも呼ばれ、家庭用品品質表示法で表示が義務付けられており、以下の4点を表示する必要があります。
- 素材
- 洗濯表示マーク
- 取扱注意事項
- 製造者名
Tシャツを長持ちさせるために必ず確認すべき事項で、消費者が洗濯やメンテナンスの際に誤った取り扱いをしないように助ける役割を果たしています。中でも、最も重要なのが洗濯表示マーク。まず覚えていただきたいのが、以下の5つの基本記号。
5つの基本記号
この5つの基本記号に条件を表す付加記号の組み合わせで表示します。付加記号は、「力の強弱」「上限温度」「処理・操作の禁止」を表します。
家庭洗濯(洗い方について)
Tシャツであれば洗濯機で洗えることが多いものの、デリケートな素材の場合には手洗いや家庭では洗えないものもあります。
記号 | 意味 |
---|---|
液温は40℃を上限とし、洗濯機で洗うことができる。 | |
液温は40℃を上限とし、洗濯機(弱流)で洗うことができる。 | |
液温は40℃を上限とし、洗濯機(非常に弱い水流)で洗うことができる。 | |
液温は40℃を上限とし、手洗いできる。 | |
家庭での洗濯禁止。 |
数字は液温の上限を示し、「40」であれば、40 ℃以下のお湯で洗えます。
記号の下の線は処理の強弱を示し、一本線は下線がないものより弱い処理を、二本線は非常に弱い処理を表します。また、「×」は各基本記号共通で処理や操作を禁止する負荷記号となります。
漂白(漂白剤の使用について)
三角形の記号は漂白剤の使用を表すマークとなり、三角の中の二本線は「酸素系漂白剤は使用できるが塩素系漂白剤は使用禁止」を、三角に「×」は「塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止」を示します。
記号 | 意味 |
---|---|
塩素系および酸素系の漂白剤が使用できる。 | |
酸素系の漂白剤のみ使用可能。 | |
漂白剤の使用禁止。 |
タンブル乾燥(タンブラー乾燥)
タンブル乾燥とは、衣類を熱と一緒に回転させて乾燥させる方法です。
記号 | 意味 |
---|---|
タンブル乾燥可 (排気温度上限80℃)。 | |
タンブル乾燥可 (排気温度上限60℃)。 | |
タンブル乾燥禁止。 |
四角形の記号は乾燥を表すマークとなり、中央の点の数は上限排気温度(2つ:80℃、1つ:60℃)を示し、「×」はタンブル乾燥の使用禁止を示します。
自然乾燥(干し方)
つり干し
つり干しとは、衣類をハンガーなどに吊って干す方法です。
記号 | 意味 |
---|---|
つり干し推奨。 | |
ぬれつり干し推奨。 | |
日陰のつり干し推奨。 | |
日陰のぬれつり干し推奨。 |
1本の縦線はは「つり干し」を、2本の縦線はは「ぬれつり干し」を表します。
ぬれつり干しとは、脱水をせずにぬれた状態で干す方法で、麻やリネンなどの干し方として推奨されています。
平干し
平干しとは、衣類を平らな物に置いて干す方法です。
記号 | 意味 |
---|---|
平干し推奨。 | |
ぬれ平干し推奨。 | |
日陰の平干し推奨。 | |
日陰のぬれ平干し推奨。 |
1本の横線はは「平干し」を、2本の横線はは「ぬれ平干し」を表します。
アイロン
記号 | 意味 |
---|---|
底面温度は200℃を上限とし、アイロンをかけられる。 | |
底面温度は150℃を上限とし、アイロンをかけられる。 | |
底面温度は120℃を上限とし、アイロンをかけられる。 | |
アイロン禁止。 |
アイロンマークの点は底面温度の限度(3つ:200℃、2つ:150℃、1つ:120℃)を表し、「×」はアイロンの使用禁止を示します。なお、スチームマークに「×」があるマークもあり、スチームの使用不可となります。
クリーニング
円の記号は商業用クリーニングを示すマークであり、ドライクリーニング処理とウエットクリーニング処理に分けられます。
ドライクリーニング処理
ドライクリーニング処理とは、水を使わずに石油系の有機溶剤で洗うクリーニング方法となり、水洗いでは落とせない汚れや扱えない衣類をクリーニングすることができます。
記号 | 意味 |
---|---|
パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができる。 | |
パークロロエチレン及び石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる。 | |
石油系溶剤によるドライクリーニングができる。 | |
石油系溶剤による弱いドライクリーニングができる。 | |
ドライクリーニング禁止。 |
円の中の「P」はパークロロエチレンなどの溶剤を、「F」は石油系溶剤のことを表し、マークの下線は「弱い処理」という意味を表しています。
ウエットクリーニング処理
ウエットクリーニング処理とは、本来であればドライクリーニングで洗うべきものを、特殊な洗剤と水を使って洗い上げる方法です。
記号 | 意味 |
---|---|
ウエットクリーニングができる。 | |
弱い操作のウエットクリーニングができる。 | |
非常に弱い操作のウエットクリーニングができる。 | |
ウエットクリーニング禁止。 |
円の中の「W」はwetを示し、記号下の線が多いほど、より弱い洗い方であることを表します。
このように、5つの基本記号に条件を表す付加記号の組み合わせたものは全41種類あり、覚えるのは容易ではありませんが、5つの基本記号と付加記号のルールを覚えてしまえば理解できるものです。なお、線の数が多い方は力が弱く、点の数が多い方は温度が高いと覚えておくとよいでしょう。
実際の洗濯表示を見てみよう!
では、実際にユナイテッドアスレ5001-01(綿100%)と5888-01(T/C ドライ)の洗濯表示タグを見ていきましょう。
5001-01 5.6オンス ハイクォリティーTシャツ
5888-01 5.3オンス T/C バーサタイル Tシャツ
5888-01 5.3オンス T/C バーサタイル Tシャツ
どうでしょう。
洗濯マークは全く同じですが、洗濯マーク下に表示されている注意書きに違いがあります。
WASH WITH SIMILAR COLORS (共通)
同系色で洗ってください。
DO NOT USE OPTICAL BRIGHTENERS (共通)
蛍光増白剤を使用しないでください。
DO NOT USE IRON ON PRINTED PART (共通)
印刷面にはアイロンを使用しないでください
USE A PRESSING CLOTH WHEN IRONNING (5001-01のみ)
アイロンをかける時は当て布を使用してください。
DO NOT USE SOFTNERS (5888-01のみ)
柔軟剤を使用しないでください。
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、実はこれ、素材が大きく関わっているのです。
5001-01の綿100%は、熱によって収縮しやすく、テカリが生じやすいため、アイロンをかける際には当て布を使用して、熱の影響を和らげる必要があるのです。
一方、5888-01のT/C ドライとは、ポリエステルと綿の混紡した素材かつドライ機能が搭載したもので、柔軟剤は機能低下の原因となるため、柔軟剤の使用を禁止にしています。
まとめ
今回はTシャツの洗濯表示タグの洗濯マークと注意事項についてお伝えしました。
洗濯マークは全41種類ありますが、5つの基本記号と付加記号のルールをさえ覚えてしまえば理解できるもの。大切なプリントTシャツをより良い状態でキープするためには、ぜひ洗濯表示タグをしっかりとチェックすることを心がけましょう。そうすればきっと、数年後、数十年後もキレイな状態をキープでき、数千円だったTシャツが数十万円になるかもしれませんよ。
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