綿生産現場における様々な課題を解消するためには?
みなさん、こんにちは!
スタッフbです。
これまで数回に渡りご紹介してきた「サステナブル・コットン」。
持続可能な綿生産という視点で、環境問題はもちろん、農家さんの労働環境、人権問題、さらにはアパレル業界全体における取組みなどについてご紹介してきました。
現状の綿生産のスキームではいつかは破綻してしまう
つまり、化学肥料などが原因で土壌環境が汚染され、貧困層が中心の綿農家さんはますます収益性が悪化、そんななかでも収益を出すために児童労働や強制労働といった人権問題が発生し、いずれ綿の収穫そのものが大幅に減少してしまう…
こうしたネガティブなシナリオは容易に想像できるところ
当然、綿の収穫量が減ってしまえば、これまで安価に買うことができていたタオルやTシャツなどの肌着、主に人間の日常生活に深く関わりのある様々な繊維製品の生産が難しくなり、価格が高騰することが目に見えているのです。
普段からあまり意識しない部分かもしれませんが、生活に深く関わってくる綿製品の代表的なアイテムには
・下着や肌着
・タオル
・布団などの寝具類
・洋服などなど
つまり、人間が生活するうえで必要な
「衣・食・住」の衣の部分の多くを担っているのが綿
と言っても過言ではないのです。
さてどうしたものか・・・
スタッフbが綿農家だったとしたら、そんなに儲からない綿栽培なんかやめてしまって、とうもろこしとか大豆といった穀物の栽培をした方が世界的にも需要がありそうだし、と考えてしまいそう。
こうした綿生産を取り巻く環境を改善して、持続可能な綿栽培のスキームを確立させようという取り組みが「サステナブル・コットン」であり、アパレル業界を中心に、地球環境への悪影響の低減や品質といった一定の生産基準を設けて、
生産農家の収益性も向上させようという動き
が世界中で取り組まれているのです。つまり、これからも綿製品を使い続けるなら、世界中でサステナブル・コットンのスキームを採用した綿を生産しなければならない、消費者としても
サステナブル・コットンの製品を購入しなければならない
という状況になりつつあるのかもしれません。
今回の記事では、こうした世界的な取り組みでもある生産者側のサステナブル・コットンに対して、
消費者としてはどのようなことができるのか?、
綿生産を維持するために、どのようなことをすべきなのか?
という点にフォーカスし、深堀してみたいと思います。
スタッフbも含め、洋服やファッション好きの男女は多いと思いますが、綿なしではオシャレもヘッタクリもないのも事実。だって、オシャレな洋服が市中に出回らなくなったら、選択肢そのものが失われちゃいますもんね。
そんな風に考えることができれば、現在直面している綿生産の課題や問題点について、真剣に考えるきっかけになるかもしれません。
▼関連記事
みんな知ってる?サステナブル・コットン(#2)-人権問題に絡むコットン生産の課題
ファッションアイテムすべてがサステナブルを実現する動き
さてさて、こうして改めて綿生産における問題点や課題を深堀すると、結構根が深い問題であることは、ある程度察することができますが、すでに世界的なアパレルブランドを中心に、サステナビリティを意識した製品づくりのスキームが浸透しつつある点は、高く評価したいところです。
前回記事「みんな知ってる?サステナブル・コットン(#3)-サステナブル・コットンとは」では、アウトドアブランド大手「パタゴニア」や「ヴィヴィアンウェストウッド」などが、積極的にサステナビリティを意識した取り組みを行っていることをご紹介いたしましたが、綿生産に限らず、地球環境保護という観点では、
森林伐採や地球温暖化などの問題も考慮
した製品のプロダクトが必須になるということでしょう。
最近では、各企業がSDGsなどを掲げて、一企業の利潤だけでを追求するのではなく、社会全体の貢献度なども含めた企業の成長という観点が重要視されておりますが、綿栽培においても同様に
・従来通りの綿の生産量を維持する
・地球環境にやさしい生産スキームを確立する
・化学肥料を減らして綿自体の品質を向上させる
・綿農家の収益性を改善する
これらを実現させるための取り組みとして、サステナブル・コットンがあり、さらに視野を広げれば、「ファッションアイテムすべてがサステナブル」であるという環境を作る必要があるのです。
つまりサステナブル・ファッションです。
前回記事でもご紹介したように、皆さんも一度は聞いたことがあるであろう「オーガニック・コットン」は、地球環境に悪影響を及ぼす化学肥料や農薬を使用しないサステナブル・コットンのひとつでありますが、製品に対するイメージとしては
・質が良さそう
・その分高そう
まさにそのとおり!
スタッフbとしては、せめてバスタオルくらいオーガニックコットン製にしたいと思いますが、通常の綿製品とくらべて割高になってしまうのが実情。ただ、いま世界中で取り組まれているサステナブル・コットンのことを考えれば
タオルや布団などの綿素材もすべてサステナブルに置き換わる
という流れになるかもしれません。
その分、値段が高くなっちゃうのかな~?、という心配ばかりしているスタッフbですが、当然のことながらサステナブル・コットン製品が市中に出回るほど、
製品価格は落ち着いてくるのが一般的
ですので、やはりいち個人としてサステナブル・コットンの取り組みに参画するとすれば、サステナブル・コットンの理念などを理解して、
積極的に製品を購入することが一番の貢献になる
のが現実かもしれませんね。
▼関連記事
オリジナルTシャツ制作における地球環境への取り組み
サステナビリティに必要なことは価格の理解と消費需要?!
日本国内においても、ユニクロをはじめとするアパレルブランドが、サステナブル・ファッションの認知拡大に尽力しておりますが、綿生産における課題や問題点は
一般消費者まではまだまだ知られていない状況
Tplantで取り扱うTシャツメーカーにおいても、お世辞にもサステナブル・コットンを素材とした製品ラインナップが多い状況ではありません。ただ、消費者ばかりがサステナビリティを意識させられるのではなく、当然のことながらサステナブル・コットン製品は
一般的な綿製品よりメリットが多い
という付加価値を提供しなければならないのがアパレルメーカーの使命であり、綿生産者の課題でもあります。たしかに地球環境に優しい・人権問題も解決できることは重要ですが、それによって価格が上がったのに製品の質が付いてこなければ、需要が増えずにノンサステナブル(汗)に陥ってしまいます。
アパレル業界全般が取り組むサステナブル・ファッションという考え方においては
コットンやパルプのような環境保存を主眼
とした取り組みもあれば、服のリサイクル・古着の活用、さらには廃棄プラスチックを原料とした繊維の活用など、多彩なアプローチがあることも念頭に置いておく必要があります。たしかに、廃棄される服が多いより、
古着として活用した方が、CO2排出という観点でも地球環境に良い
ということは言うまでもありません。
今回、シリーズとしてご紹介してきたサステナブル・コットンにおいては、Tシャツのメイン素材である綿に特化した課題ではありましたが、コットンに限らず、リネン(麻)、シルク(絹)なども含め、天然資源には限りがあることは皆さんもご存じのとおり。これまでは生産効率や収益性重視で、地球環境や労働環境、貧困問題などを後回しにしてきたのかもしれませんが、これからの時代は
地球環境など課題に取り組む製品が選好される時代
製品をプロダクトする企業はもちろん、一般消費者の認識も徐々に地球環境の意識が高まることで、
サステナブルがファッションの新常識
となっていくのかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
ちょっと小難しい話になってしまったかもしれませんが、Tplantでは世界を台頭するアパレルブランドと同様、サステナビリティの向上に積極的に取り組んでいく予定です。
▼サステナブル・コットンTシャツ
OGB-910 オーガニックコットンTシャツ